【為替本日の注目点】米景気拡大示唆でドル円続伸、相場は乱高下でドル支援材料待ち
NY市場
ドル円は堅調に推移。NY連銀製造業景況指数が予想を上回ったことや、生産者物価指数が上昇したこと、またベージュブックでも大半の地域で景気が拡大していることが確認されたことでドル円は104円70銭まで上昇し、高値圏で引ける。
ユーロドルは1.36台から、1.35台後半まで下落。ドイツのGDPが景気鈍化を示唆したことでユーロ売りが拡大した。
株式市場は大幅に続伸。好調な経済指標やベージュブックの内容に投資家がリスクを取る姿勢を強め、ダウは連日100ドルを超える上昇を見せる。
債券相場は続落。経済指標の好転に、株高が加わり債券は売りもの優勢の展開に。長期金利は2.88%台まで上昇。
金は続落し、原油は大幅に続伸。
1月NY連銀製造業景況指数 → 12・51
12月生産者物価指数 → +0.4%
ドル/円 104.22 ~104.70
ユーロ/ドル 1.3582 ~ 1.3613
ユーロ/円 141.87 ~ 142.35
NYダウ +108.08 → 16,481.94ドル
GOLD -7.10 → 1,238.30ドル
WTI +1.58 → 94.17ドル
米10年国債 +0.013 → 2.882%
本日の注目イベント
英 英12月小売売上高
米 12月住宅着工件数
米 12月建設許可件数件数
米 12月鉱工業生産
米 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
米 決算発表 → モルガンスタンレー、GE
NYダウは連日100ドルを超える上昇を見せ、これで「雇用統計ショック」前の水準を回復し、ひとまず市場に安心感が広がりました。そのためドル円は月曜日の102台から翌日には103円台を回復し、昨日は一日を通じて終始104円台で推移しています。12月の雇用統計が予想外の低水準だったことで、今後の米経済指標を確認する展開でしたが、結局これまで発表された各指標はいずれも米景気の拡大を示唆するものでした。
昨日もNY連銀製造業景況指数が市場予想の「3.5」に対して「12.51」と、大きく上回り市場に安心感を与えました。また、昨日発表された世界銀行の経済見通しも、2014年、2015年の予想を上方修正しており、世界的に景気拡大が続く見通しも投資家を楽観的にしています。世銀は先進国の経済成長は2.0%から2.2%に引き上げ、ユーロ圏経済の改善と、米経済の拡大が世界経済に寄与すると説明しています。
残念ながら日本の経済成長については2014年が1.4%、15年が1.2%と「低成長」を予想しており、政府が公約しているアベノミクスの先行きには不透明感があるとしています。結局この見方が、日米金融政策の差として今後も為替市場に影響を与えると考えることもでき、FRBの「緩和縮小」と、日銀による「追加緩和観測」という構図は変わらないと予想しています。
ドル円は、昨日この欄で指摘した104円30-40銭を上抜けし、104円70銭まで上昇しました。米株価が上昇したこともありますが、米長期金利が2.88%台まで上昇し、先週の雇用統計発表前の水準まで戻したことがドル円をサポートしている面もあります。次のターゲットは105円台乗せですが、やはり米経済指標の改善が不可欠です。ベージュブックでも「経済見通しは大半の地区で明るかった。一部地区は『ほぼ変わらない』との予想を示したが、成長加速を見込む地区もあった」と記されています。今後、雇用統計に余程のサプライズがない限り、「緩和縮小」は12月の決定通り行われるものと予想します。
今夜も米国では住宅関連の指標に加え、比較的重要なミシガン大学消費者マインドが発表されます。ドル円が104円台後半まで値を戻したことで、多くの専門家が予想した今年の「円安、株高」のセンチメントが戻りつつありますが、まだこのまま105円台が定着するかどうは判断できません。今後の経済指標の改善などのドル支援材料が待たれます。
今年は年初から相場が乱高下しています。少なくとも昨年のような「バイ・アンド・ホールド」だけで利益を狙える相場つきでは無いように思われます。また、今週に入ってドル円と株価の相関関係がやや崩れてきているようにも思えます。この辺りについては、今後何かの要因があるとすれば触れていきたいと考えております。本日のレンジは104円10銭~105円10銭程度予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は堅調に推移。NY連銀製造業景況指数が予想を上回ったことや、生産者物価指数が上昇したこと、またベージュブックでも大半の地域で景気が拡大していることが確認されたことでドル円は104円70銭まで上昇し、高値圏で引ける。
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2014-01-16 10:30