「仕切り直し」のメキシコ高速鉄道計画、中国企業が賠償請求

 メキシコ政府が1月30日、同国における高速鉄道建設計画を無期限延期すると発表したことを受け、いったんは受注に成功した中国鉄建などが、損害賠償を求めてメキシコ側と交渉していることが分かった。  メキシコ政府は2014年11月3日、メキシコ市とメキシコ中部ケレタロを結ぶ総距離210キロメートルの高速鉄道整備計画について、鉄道建設などを行う中国鉄建を中心とする企業連合(コンソーシアム)への発注を決めたと発表した。  しかし11月8日になり、同発表を撤回。理由として「高速鉄道建設プロジェクトに応札する企業が少なすぎたこと」や「発注決定までの時間が不十分であり、落札までの過程における合法性や透明性に対する疑惑が発生することを避けるため」と説明した。  中国側は改めて入札の準備を進めることになったが、メキシコ政府は1月30日、原油価格の低迷や米国で利率が上昇する見込みであることを理由に、高速鉄道の建設計画を「無期限に延期する」と発表した。  中国企業で、「国外から初となる本格的高速鉄道の受注」を目指す動きの中心だった企業が中国鉄建(本社・北京市)だ。北京紙「京華時報」によると、中国鉄建の役員会付秘書である余興喜氏は「プロジェクトの賠償問題を交渉している。金額についてはまだ、お話しするのに適切な時期ではない。ただし、賠償を得られると、固く信じている」と述べた。  余氏は、メキシコでの高速鉄道建設計画の状況は、中国鉄建として初めて遭遇する事態と説明。ただし、海外におけるプロジェクトでは、資金問題による遅延や、予算の削減はしばしば発生しており、メキシコにおける事態も、同社の経営を大きく左右するものではない。  余氏によると、中国鉄建の2014年1-9月における新たな契約は総額で5649億2000万元(約10兆5618億円)に達した。うち海外分は1146億7000万元(約2兆1439億円)で、メキシコの高速鉄道プロジェクトでは、当初受注分の契約額は178億5000万元(約3337億円)だった。  余氏はメキシコにおける契約の白紙化について「大きな額とは言えない」と主張した。 ********** ◆解説◆  中国の企業などにおける「秘書」は通常、かなり大きな権限を持っている。「ボスの指示に従って」に動くというよりも、「実務全般を能動的に取り仕切る」存在であるからだ。そのため、役員会付秘書である余興喜氏の発言には「極めて大きな重み」があることになる。  余興喜氏は1958年生まれ。1976年に中国政府の鉄道建設部門で勤務を開始。それ以降。財務・会計畑を歩んだ。2001年11月から05年12月までは中国鉄建総公司投資部の責任者、05年12月から10年10月までは同社および組織改編後の中国鉄建の財務部部長を務め、10年10月に中国鉄建の役員会付秘書に就任した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
メキシコ政府が1月30日、同国における高速鉄道建設計画を無期限延期すると発表したことを受け、中国鉄建などが損害賠償を求めて交渉していることが分かった。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2015-02-03 14:45