TACは高値更新の展開、収益改善を評価して上値追いの流れに変化なし

 「資格の学校」を運営するTAC <4319> の株価は高値を更新して水準切り上げの展開が続いている。足元では過熱感も薄れた。収益改善を評価して上値を追う流れに変化はなく、2月4日予定の第3四半期累計(4月~12月)業績発表が接近して動意付く可能性もあるだろう。  財務・会計分野(簿記検定・公認会計士など)、経営・税務分野(税理士・中小企業診断士など)、金融・不動産分野(宅建・不動産鑑定士・FPなど)、法律分野(司法試験・司法書士など)、公務員・労務分野(社会保険労務士・国家総合職など)など幅広い分野で「資格の学校」を運営し、法人研修事業や出版事業なども展開している。若者や女性の資格取得支援に向けた厚生労働省の教育訓練給付制度なども追い風だ。  12月27日には増進会出版社との資本・業務提携を発表している。増進会出版社は、子会社のZ会を通じて通信教育事業などの教育サービス事業を展開している。当社の教室運営ノウハウや資格系コンテンツ開発力などと、増進会出版社の通信教育ノウハウや教養系コンテンツ開発力などを融合させて、新たなソリューションの提供を目指す狙いだ。  資本提携の内容は、増進会出版社が(1)本契約締結後速やかに当社の既存株主から37万80株を取得し、さらに(2)14年1月31日(予定)に当社が増進会出版社に対して行う第三者割当による自己株式処分(26万9100株、処分価格360円)および当社既存株主からの取得によって、(1)と(2)の合計で当社発行済株式総数の5.07%にあたる92万5200株を取得する。当社は2月28日をメドに、増進会出版社の孫会社で大学生・社会人教育コンテンツ企画・開発・販売のCA社の総議決権の10%に相当する株式を、第三者割当による新株発行で取得する。  今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.2%減の199億円、営業利益が同5.2倍の7億05百万円、経常利益が同2.1倍の7億85百万円、純利益が同54.3%減の4億47百万円としている。純利益は前期計上の移転補償金などの特別利益が一巡する。  公認会計士試験や税理士試験の合格発表後の講座申込状況を見極める必要があるとして通期見通しを据え置いているが、想定以上だった第2四半期累計(4月~9月)の利益は通期見通しを大幅に超過達成している。金融・不動産分野や公務員分野が好調であり、賃借料・講師料・教材制作外注費・人件費・広告費の削減という事業構造改革の効果が本格寄与して営業損益が大幅に改善することを考慮すれば、通期増額の可能性が高いだろう。なお2月4日に第3四半期累計の業績発表を予定している。  株価の動きを見ると高値を更新して水準切り上げの展開が続いている。1月7日に410円を付けて12月2日の404円を突破し、さらに1月22日には499円まで上値を伸ばした。目先的な過熱感を強めたうえに全般地合い悪化の影響も受けて1月27日に423円まで調整したが、1月28日には終値で442円まで戻して切り返しの動きを強めている。過熱感が薄れて再動意の構えだろう。  1月28日の終値442円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円51銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS181円59銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調だ。09年2月の532円は射程圏であり、07年3月以来の600円台も視野に入りそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
「資格の学校」を運営するTAC<4319>(東1)の株価は高値を更新して水準切り上げの展開が続いている。足元では過熱感も薄れた。
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2014-01-29 09:15