モーニングスター、「資産運用の時代」追い風に15年3月期で6期連続2ケタ営業増益を記録

 モーニングスター <4765> の2015年3月期連結決算は、売上高41.9億円(前期比6.9%増収)、経常利益11.59億円(同4.7%増)の増収増益だった。4月23日に決算発表の記者会見に臨んだモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「利益項目の全てにおいて過去最高益を更新した。連結営業利益は2010年3月期の28.5%増益から6期連続で2ケタ増益を達成し、15年3月期の12.7%増益によって6期で営業利益は約3.6倍に拡大した」と決算を振り返った。特に、金融機関向けのファンドデータの販売が好調で、また、100%子会社のSBIアセットマネジメントの運用受託報酬が前期比36.5%増収と拡大していることが収益を引き上げている。  サービス別の売上高は、ウェブ広告が前期比15.8%増と好調、ファンドデータも12.5%増収、IR説明会も8.2%増収だった。株式新聞関連は横ばいの売上高となったが、ゴメス・コンサルティング事業が18%減収、サーチナ・メディア事業が13.7%減収と振るわなかった。  ただ、ゴメス・コンサルティング事業の営業利益は前期比3.3%増益、サーチナ・メディア事業の営業利益は同29.9%増益と、不振の事業部門についてはコストを抑えることで利益を確保している。  一方、SBIアセットマネジメントの運用ファンドの純資産総額は14年3月末の1101億円が15年3月末には22.3%増の1347億円に拡大した。この残高増によって運用受託報酬が伸びている。既に15年4月23日現在で純資産総額は1400億円を超えているといい、引き続き収益の引き上げ要因と期待できる。  朝倉氏は、今後の業績を展望する上で、金融機関向けのタブレットアプリ導入台数が1年間で2.3倍に拡大し、15年3月末に約2.3万台になったことの価値を強調した。「タブレット端末を通じたファンド情報の提供という営業スタイルが対面で投信を販売する金融機関の間に定着しつつあり、49社の導入金融機関からは、最初は5台~10台など試験的に導入しても、その販売支援効果を実感し、10台が50台、100台が300台などと台数の拡大を要請いただくケースが非常に多い。この事業は、アプリを使ったデータ使用料を月額定額でいただくので、市況変動による収益増減の圧力が小さく、安定した収益源となる」(朝倉氏)と語っている。  15年3月期のファンドデータの売上高は約5.48億円で、うちタブレットアプリ向けは1.64億円という実績。タブレット向けの増収率は前年比36.6%増。「引き続き、タブレットアプリの提供台数は30%~50%増のペースで伸ばすことが可能とみている。収入は前期の36%増を大きく上回る伸び率で期待できる」(朝倉氏)としている。  さらに、約2.3万台の投信販売のプラットフォームになったことで、「タブレットを通して投信の運用会社がファンド情報の伝達手段として魅力を感じ始めている」という。ファンドマネージャーが運用状況について語る動画や、運用レポートをタブレットアプリを通じて提供することで、直接販売員にファンドの状況を伝えることができる。また、タブレットと顧客情報データベースの連携によるコンサルティング機能、また、ライフプランや相続などに関する販売支援ツールなどの拡充、加えて、タブレット上での投信の発注機能など、タブレットを活用した投信販売の拡大を促す機能を、今後追加して利便性を一段と高めていく計画だという。  朝倉氏は、これからの資産運用サービスを展望して「従来は投信販売員は、人気ファンドや新ファンドなどの情報を提供する立場でよかったが、インターネットの発達によってあらゆる投資情報やファンド情報が自由に閲覧できるようになり、販売員と購入者(投資家)の間の情報障壁が消滅しつつある。これからは、投資家から自らの資産状況やライフプランに基づいて自ら必要な想定利回りを考える時代となり、『この利回りを安定的に実現するためのポートフォリオを提案してほしい』という要望が出てくるようになるだろう。販売員は、顧客との対話の中で、その場でシミュレーションを見せ、顧客が求めるポートフォリオを即座に提案する必要に迫られる。タブレットを使った情報支援がなくては、満足度の高い提案は不可能になってくるのではないか」と見通し、引き続きタブレットアプリを使ったファンドデータの提供には強いニーズが続くと語っていた。  最後に、株主還元について、15年3月期は普通配当の1株当たり80銭の増配(期末配当が5円)、上場15周年の記念配当50銭を実施。また、2.5億円の自己株式の取得を行ったことによって当期利益の株主還元率が97.4%になる。「手元資金の使い方については、事業成長を加速させる魅力的な買収先等の候補があれば、M&Aや投資も選択肢だが、昨今のIPOブームもあって未公開企業も含め有望な投資先がなかったため、今回の株主還元になった。投資家の方々には当社の事業成長に期待していただいていると考えるため、M&Aなどの選択肢は常に考慮しつつ、当期利益が増益を維持している場合は、増配によって株主に報いていくという姿勢は堅持したい」(朝倉氏)と語った。(編集担当:徳永浩)
モーニングスターの2015年3月期連結決算は、売上高41.9億円(前期比6.9%増収)、経常利益11.59億円(同4.7%増)の増収増益だった。(写真は、決算発表に臨んだモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)
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2015-04-23 19:15