日経平均はNYダウに比べ下げ過ぎ、「半値戻し」目指す展開=犬丸正寛の相場展望

  アメリカの2回目となる金融量的緩和縮小を受けて新興国の経済波乱がアメリカの企業業績にも影響を及ぼすとの懸念からNYダウが下げた。連れて日本のマーケットも調整となった。   そのNYダウは、去る5日の安値1万5340ドルから300ドル近く戻し、チャートでも比較的大きい陽線となったことで底打ちはできたものとみられる。今夕の1月の米・雇用統計の内容次第では、下押すことも予想されるが5日の安値を下回ることはないだろう。また、統計を相場が好感する場合は、昨年12月31日の高値1万6588ドルから5日の1万5340ドルまでの下げ幅に対する、「3分の1戻し」1万5756ドルを抜いて、「半値戻し」の1万5964ドルを目指す展開が予想されそうだ。   一方、日経平均は昨年12月30日の高値1万6320円から、去る4日の1万4006円まで14.1%の下げとなり、この間のNYダウの下落率7.5%を大きく上回る下げとなった。これは、(1)昨年暮れに日経平均採用の上位5銘柄程度を集中的に買い上げた反動が大きく出ている、(2)4月からの消費税引上げの影響を早めに織り込み始めた~などが響いたものとみられる。   ただ、NN倍率(日経平均÷NYダウ)は、昨年暮れに0.97倍まで上昇し通常の0.94倍を上回っていたが、足元では、逆に、0.90倍まで低下しNYダウに比べ日経平均は下げ過ぎの状況となっている。   このため、日経平均がNYダウより先に、「半値戻し(1万5163円)を達成する可能性はあるだろう。また、今回の下げで消費税の影響を2~3割ていど織込んだのではないかとの見方にもなっている。   2014年3月期の第3四半期決算はほぼ一巡、企業業績は概ね堅調といえる。日経平均の予想1株利益で見ても直近1007円(昨年末は979円)と高水準である。   週明けには新しい東京都知事が決まっているから改めてオリンピック関連銘柄を見直す可能性もある。1ドル・100円台まで円高が進んで為替相場が、円安傾向を強めればトヨタ自動車など自動車株の買い人気につながるだろう。   足元では第3四半期決算の発表が終ったことで、業績面での手がかり材料は薄れるが、今回の下げで信用買いの整理もあるていど進み需給関係は好転している。消費税が上値を押えるものの、短期的には、下げ幅の、「半値戻し」を目指した展開で値ガサ株から中低位株まで回転の速い物色の展開が予想されそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
アメリカの2回目となる金融量的緩和縮小を受けて新興国の経済波乱がアメリカの企業業績にも影響を及ぼすとの懸念からNYダウが下げた。連れて日本のマーケットも調整となった。
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2014-02-07 17:00