【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】癌検診は何歳まで受けるのがよいか、ワクチン接種の受け方

  1月号では米国の家庭医学会が推奨する、基本的な癌検診のお話をいたしました。「75歳までは癌検診を推奨」と説明しましたが、では何歳まで癌検診を受けるかは難しい問題です。私自身は、癌スクリーニングは85歳以上の方では推奨しません。76~84歳までの方は個人差が大きく一概には言えませんが、心筋梗塞・慢性腎不全などの基礎疾患がない方は定期的な癌検診も考慮して下さい。   癌検診以外では、喫煙歴のある60~75歳の男性では、腹部超音波検査にて腹部大動脈瘤のチェックを受けてください。65歳以上の全女性は、骨粗鬆症の定期的な検査(3年毎の骨定量)をお勧めいたします。64歳以下の女性では、標準体重より体重が少ない方、運動が苦手な方、飲酒や喫煙歴がある方、カルシウム摂取量が少ない方もスクリーニングを受けて下さい。   癌だけでなく肺炎などの感染症をも未然に防ぐのが非常に重要で、米国では予防医学として60歳以上の方では以下のワクチン接種を強力に推奨しています。(1)インフルエンザワクチンは毎年、(2)肺炎球菌ワクチンは65歳以上で1回、(3)帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)は1回、(4)破傷風ワクチンは10年おきに1回、の接種が推奨されています。肺炎球菌ワクチンは、65歳以上では5年毎のワクチン接種が推奨されています。しかし5年後でもピーク時の80%の効果があることから、肺の慢性疾患・慢性腎臓病・ステロイド内服するなどの病気がない方はもう少し期間をおいても良いかと思います。全てのワクチンは100%病気を予防するものではなく、肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌肺炎の予防効果は70~80%(一部報告では90%)です。この予防効果はインフルエンザワクチンでも同様の効果と考えられています。ワクチン効果の限界を認識し、常日頃から家族全員で「手洗い・うがい」を心掛け、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症を予防して下さい。(自衛隊中央病院・消化器内科部長)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
1月号では米国の家庭医学会が推奨する、基本的な癌検診のお話をいたしました。「75歳までは癌検診を推奨」と説明しましたが、では何歳まで癌検診を受けるかは難しい問題です。
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2014-02-15 09:00