エスプールは調整のほぼ最終局面、中期成長力に見直し余地

  人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の株価は、新株予約権発行も嫌気されてやや軟調展開だが、調整のほぼ最終局面だろう。ネット通販市場拡大も追い風であり、中期成長力に見直し余地があるだろう。   アウトソーシング関連のビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、キャンペーンアウトソーシング、障がい者雇用支援サービス)、人材派遣関連の人材ソリューション事業(販売・営業支援、オフィスサポート、試験運営サポート)、および13年4月に開始したマーチャンダイジングサービス事業を展開している。ロジスティクスアウトソーシングについては、12月1日付で会社分割して、新設する100%出資子会社エスプールロジスティクスに承継させた。   ロジスティクスアウトソーシングは、ネット通販市場拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。障がい者雇用支援サービスは、障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入が収益柱である。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大している。放射性物質除染業務は、ジャパンベストレスキューシステム <2453> の子会社バイノスから道路除染業務を受託している。   前期(13年11月期)の連結業績見通しは、売上高が前々期比6.5%増の52億62百万円、営業利益が同65.8%増の80百万円、経常利益が同2.2倍の66百万円、純利益が50百万円(前々期は30百万円の赤字)としている。ロジスティクスアウトソーシングや障がい者雇用支援サービスが好調であり、発送代行サービスの茨城県「つくばEC物流センター」開設費用、障がい者雇用支援サービスの新農園建設費用などの先行投資負担を吸収するようだ。   今期(14年11月期)についてもネット通販市場の拡大が追い風であり、ロジスティクスアウトソーシングの事業規模拡大や生産性向上に加えて、好採算の障がい者雇用支援サービスの事業規模拡大も寄与して、好業績が期待されるだろう。   なお11月28日に、マイルストーン・キャピタル・マネジメントを割当先として、第三者割当による新株予約権の発行を発表した。当該発行による潜在株式数は42万株(発行済株式総数に対する希薄化率16.26%)、行使価格は950円で、すべて行使された場合は差引手取概算額約3億96百万円を調達する。調達資金は、障がい者雇用支援サービスのための農園用地取得・建設、人材派遣事業でのM&Aなどに充当するとしている。   株価の動きを見ると、急騰して付けた9月11日の年初来高値2197円から反落して調整局面が続いている。新株予約権発行による希薄化懸念も影響しているようだ。12月16日には800円まで調整した。ただし12月17日は800円を割り込むことなく、一時は830円まで反発する場面があった。800円が下値メドとして意識された可能性があるだろう。   12月17日の終値802円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS19円47銭で算出)は41倍近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS55円18銭で算出)は15倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が広がり、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。急騰の上げ幅約1800円に対して約3分の2押しの水準であり、調整のほぼ最終局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は、新株予約権発行も嫌気されてやや軟調展開だが、調整のほぼ最終局面だろう。ネット通販市場拡大も追い風であり、中期成長力に見直し余地があるだろう。
economic
2013-12-18 11:15