「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」、企業調査力を活かして高齢社会が生み出す成長企業を発掘し、資産の大きな成長めざす

三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」がモーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー 2015の国内株式中小型部門で最優秀ファンド賞を受賞した。2015年のトータルリターンは30.66%と、参考指数である東証株価指数(TOPIX)を20.73%ポイント上回る。三井住友アセットマネジメント株式運用グループ シニアファンドマネージャーの葛原健吾氏(写真)に、同ファンドが投資テーマに掲げる「げんきシニアライフ」の魅力、そして、運用の現状と展望について聞いた。
――「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」は、いわゆる「テーマ型」といわれる株式ファンドのひとつですが、同ファンドがテーマとする「げんきシニアライフ」とは?
日本の高齢化を背景に、65歳以上のシニア向け市場を対象にした産業の需要が伸びるということは、直感的にご理解いただけると思います。従来の発想では、シニア向け市場、イコール、医療や介護といったヘルスケア市場という区分けだったと思います。当ファンドでも、ヘルスケア関連市場への投資は、全体の半分程度を占めています。
一方で、「げんきシニアライフ」というファンド名称が示すように、アクティブに暮らすシニア層の消費支出にも着目します。シニア層の82%は元気で、健康を維持しながら時間とお金を有効に活用しているというデータがあります。レジャーや外食、スポーツ施設の利用や資産運用にも熱心です。このような元気なシニアによって、需要が押し上げられる内需関連産業もポートフォリオの半分程度を占めます。2012年頃から団塊世代が退職し始め、この分野の消費が目に見えて拡大しています。
当ファンドは2000年5月の設定で15年間を超える運用の歴史がありますが、「元気なシニアの消費」が顕在化し、関連企業の業績を押し上げる効果として現れ出したのは、ここ数年間のことです。やはり、2012年前後から団塊の世代が、退職期を迎えたことが大きなインパクトになっていると思います。
――葛原さんは、2013年4月から当ファンドのファンドマネージャーを担当されています。葛原さんが運用を担当なさってから、パフォーマンスが一段と高まっているようです。個別銘柄の選定のポイントは?
ファンドのパフォーマンスは私一人の力量というわけではなく、歴代のファンドマネージャーによって構築されたポートフォリオが花開いたということですし、株式アナリストチームの調査・分析の積み重ねがあってのことです。
実際に、テーマ株運用を行うと、組み入れ銘柄は特定事業でテーマと合致する中小型株が中心になります。大型株の株価判断をする際は各セクターの平均バリュエーション(PER)があり、これをベースに割高、割安の判断がなされることが多いです。ところが、中小型株は同じセクターであっても、各々の銘柄の成長率は大きく異なります。私は同じセクター内でも高い成長率が見込める銘柄は高いバリュエーションが付与されるべきと考えます。
中小型株は、高い成長率を維持している企業のPER(株価収益率)は市場平均を超えて高く出ます。反対に、成長率が低い中小型株のPERは市場平均以下になります。この見極めが難しいのですが、私は一つの判断の目安として「PEG」という指標に注目しています。「PER÷利益成長率」で求める指標です。
PEGが1~1.5の水準はフェアバリューといえると判断しています。たとえば、成長率20%の企業であれば、PERが20倍~30倍が妥当な水準です。PERが20倍以下であれば割安で、30倍を超えると割高と判断できます。ポイントは、その企業の利益成長率を判断する能力にあるのですが、その点では当社のボトムアップによる調査力が活きます。
当社の企業調査グループに属する15名のセクター担当アナリストは、セクター毎に個別銘柄を分析しており、経営陣とのミーティングや決算説明会など、リサーチ件数は2014年度に年間5000件以上に上りました。また、私自身もファンドマネージャーとしてセクター横断的に企業取材を行っています。私自身が取材で得た情報と、アナリストが専門の立場で分析し、ヒアリングした内容を合わせることで、企業の事業見通しについて精度の高い予測ができていると思います。
――2015年に記録したファンドのトータルリターン30.66%は、類似ファンド分類平均を15.67%上回っています。この高いリターンを残したポイントは? また、2016年は年初からボラタイルな市場になっていますが、今年の見通しは?
2015年はヘルスケアを中心とした医薬品メーカーや医療機器メーカーのパフォーマンスが相対的に良かった1年でした。製造業全般は失速し、ディフェンシブ銘柄といわれるヘルスケア分野が浮上しました。
その他、「げんきシニア」の関連で注目していたスポーツクラブの株価も堅調でした。また、相続税の増税によって基礎控除額が改正されたことで、都内に持ち家などを持っている人たちの相続税対策の需要が膨らんで賃貸アパート業界に特需が起きています。この波を捉えることができたことも、パフォーマンスにプラスに寄与しています。
2016年は年初から日本株が大きく売られていますが、当ファンドは内需にフォーカスしているため、株安の影響はやや軽微です。もともとヘルスケア関連はディフェンシブで価格の変動率が大きくない銘柄群です。また、「げんきシニア」関連は成長率の高い銘柄をセレクトして組み入れていますので、市場全般が落ち着きを取り戻した場合、株価の戻りが期待できる銘柄群であるとみています。
株価が全般に大きく下げる中にあっては、ファンドの基準価額の下落は避けられませんが、株価指数の下げ率よりも下落率を抑えられているのは、「げんきシニアライフ」という投資テーマに対する成長期待があるためだと思います。
――投資家の方々へのメッセージは?
団塊の世代が退職し、日本の高齢化は一段と進んでいきます。ただ、一昔前の高齢社会でイメージされた「年老いて弱い人々であふれた社会」というより、現実には、もっと元気で老後を楽しむ方々が多くなっています。このファンドが日本の将来像として描いてきた「げんきシニアライフ」が、まさしく目の前に開けてきていると思います。
このテーマは、これからの日本を象徴する中長期に続くテーマです。中長期に大きな成長が期待できるテーマとして、長く持ち続けていただきたいファンドのひとつです。
【ファンドの基本情報】
ファンド名:三井住友・げんきシニアライフ・オープン
設定日:2000年5月26日(5月、11月各25日決算)
信託報酬(税込):1.62%
販売手数料(税込):上限3.24%
トータルリターン(2015年12月末現在)(年率):過去10年=4.69%、過去5年=23.81%、過去3年=41.21%、過去1年=30.66%
(編集担当:徳永浩)
三井住友アセットマネジメント株式運用グループ シニアファンドマネージャーの葛原健吾氏(写真)に、「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」が投資テーマに掲げる「げんきシニアライフ」の魅力、そして、運用の現状と展望について聞いた。
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2016-02-22 11:30