三井住友アセットマネジメント「泰平航路」、米ドル建て高格付社債で過去5年平均11.59%(年率)のリターン

 三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)」(愛称:泰平航路)が、モーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー 2015の債券型部門で最優秀ファンド賞を受賞した。米ドル建ての高格付け社債で運用し、「安定的な値動きを維持しつつ、収益の確保をめざす」というコンセプトでの運用が、パフォーマンスの面でも優れた成績につながった。同ファンドの運用を担当する三井住友アセットマネジメント債券運用グループ副ヘッドの原田和幸氏(写真)に、ファンドの特徴と運用について聞いた。 ――「泰平航路」がフォンド オブ ザ イヤーで最優秀ファンド賞を受賞しました。国際債券・北米に分類される類似ファンド分類内で2015年は8割のファンドがトータルリターンでマイナスに沈む中、1.20%のトータルリターンを確保し、類似ファンド分類平均を5.23%上回りました。改めてファンドの特徴をご紹介ください。  米ドル建ての高格付け社債に投資しています。ファンドの設定は2009年5月でした。当時はリーマンショックからの立ち直り期にあたり、資産の安定性を重視した運用を行い、利回りに魅力のある商品を提供したいという意図で企画した商品です。  ハイ・イールド債への投資を避け、投資適格債(BBB格以上)を投資対象とし、かつ、通常はA格相当に資産の90%以上を投資するという制限を設けて信用リスクに配慮した運用を第一に行っています。また、国債に比べて利回りが上乗せされる社債に投資することで利回り面での優位性を確保します。  さらに、社債の発行体について大型企業で景気変動に左右されにくい公益セクターやインフラ投資、食品や日用品等を供給する業種を中心に投資しています。景況感によって大きく動きやすい金融セクターへの投資は行っていません。これら投資対象社債を発行する企業については、社内のアナリストチームが厳しく業績内容などをチェックして組み入れ候補銘柄を選定しています。 ――ファンドの運用成績は、2015年も優れていたのですが、2015年12月末までの過去5年間のトータルリターン(年率)が11.59%と、類似ファンド分類平均を3.26%上回り、しかも、この期間のシャープレシオは1.54と同分類中トップの成績です。原田さんは、ファンド設定以来、運用を担当してこられていますが、高い運用成績を継続している理由は?  運用を支えているのは、社内の調査チームの優れた分析力のバックアップがあってのことと思っています。債券運用では、金利変動についての見通しは大きな意味があります。たとえば、金利が大きく動きそうな時には「バーベル型」といわれるポジション(1年債など残存期間の短い債券と、30年債など長い債券を両建てで多く保有すること)が有利とされます。反対に、金利の動く幅が狭い時には、中央部に厚みを持たせたポジションをとってローリング・イールド(利回り曲線が右肩上がりの順イールドの状況において、長期債の償還が近づくにつれ利回りが低下し価格が上昇する効果)を狙って運用します。  当社の調査チームは、2015年の見通しで低成長・低インフレの時代が継続するとみました。これは、アナリストチームが各企業の売上高の伸び率が鈍化しているという報告でも裏付けられています。このため、2015年のポジションは、残存期間が3年から10年の社債をバランス良く保有し、3年以下の短い社債や10年以上の長い社債は、ほとんど保有しませんでした。  2015年は年初から米利上げ開始を材料に金利が上昇するという見通しが強く、2014年末に2.17%だった10年債利回りは、年末3%を超えるという予測もありました。当社では、そのような動きにはならないとみていたのです。結果的に、2015年12月末の10年債利回りは2.27%でした。  米国債に投資して市場の動きに連動するだけの運用なら、為替がドル/円で横ばいの中、10年債利回りが2.17%から2.27%に上昇した分、債券の価格が下落し、トータルリターンはゼロ近傍になったと思います。この中で、大きな見通しを間違えず、じっくりとインカム収入を稼ぎながら、銘柄の組み替えを的確に行うことで、安定的な運用成績につなげることができました。 ――2016年は年初から世界の株式市場が大荒れとなっています。米国の金融政策は2015年12月に利上げを開始し、1年を通じての利上げの方向性が示されています。今後の見通しは?  米FRBは「利上げ」の旗を降ろすことはないと思いますが、実際には昨年12月の利上げ開始時に見通された年4回の利上げを実行に移すことは難しいと思います。年間を通じては、GDPやインフレ率、雇用統計などの経済指標を見ながら、米国景気の強い指標が続けば利上げ見通しが強まり、弱い内容であれば市場金利が低下するという、強弱感が入り混じったボックス圏の動きをするとみています。  低インフレ・低成長は世界の経済の潮流ですし、日欧の低金利政策であふれ出た資金は米国債などに向かいやすく、これらが米国金利の引き下げ要因になります。一方で、FRBは金利を正常化したいという意思をもっていますので、景気拡大が確認される場面では利上げをはかるでしょう。このような、金利の上げ下げの動きが拮抗した状況が続くと考えられます。  米国市場は、国債利回りが低下しているほどには、社債は動いていません。国債と社債の利回り格差が開いている状況です。その分、社債の投資魅力は高まっているようにも見えますが、一方で、ハイ・イールド債は大きく動いています。今後の見通しは難しくなっています。昨年と同様に、個別企業の業績等を厳しくチェックしながら、じっくりと企業評価をしていく局面です。  当ファンドの調査体制は、東京に6名、ニューヨークに2名という体制です。原則として、投資した社債については長期保有を前提として、継続保有する価値があるのかどうかを決算などによって判断します。基本的には、米欧の国際優良企業、また、米国内で電力・ガスなど公益性の高い企業に投資するので、調査対象企業は株式アナリストとも重なっています。このため、株式アナリストと共同で会社訪問をし、レポートを交換するなど、株式と債券の両方の視点で調査分析を行っています。  今後も丁寧な調査活動を継続し、慎重な運用を進めていきます。世界の市場は難しい局面に入ってきていますが、米国の高格付け社債は依然として魅力的な投資資産であると思います。今後とも、安定的な値動きに配慮しつつ、しっかりとリターンを獲得し、中長期に投資していただける商品となるようファンドの運用にあたってまいります。 【ファンドの基本情報】 ファンド名:コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)『愛称:泰平航路』設定日:2009年5月29日(毎月5日決算) 信託報酬(税込):1.07% 販売手数料(税込):上限3.24%、解約時信託財産留保額:0.15% トータルリターン(2015年12月末現在)(年率):過去5年=11.59%、過去3年=12.09%、過去1年=1.20% (編集担当:徳永浩)
三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)」(愛称:泰平航路)の運用を担当する三井住友アセットマネジメント債券運用グループ副ヘッドの原田和幸氏(写真)に、ファンドの特徴と運用について聞いた。
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2016-02-23 09:00