ドル/円は110円を意識したドル安局面に=外為どっとコム総研

外為どっとコム総研のシニア テクニカルアナリストである川畑琢也氏(写真)は、当面は日本円が強含む展開が続くとみている。ドル/円に関しては「1ドル=110円を意識したドル安・円高方向」、ポンド/円やユーロ/円も、円に対してポンドやユーロの「戻りが鈍く、上値が重い展開になりそう」と語った。
――ドル/円は2月には1ドル=121円台から111円割れの水準へと大きく動きました。不安定な相場が続いていますが、当面の見通しは?
ドル/円は今年に入って大きくドル安・円高方向に振れたため、下方向の動きが続くと見ています。ドル/円の昨年1年間の値動きは、2014年12月安値1ドル=115.550円から、2015年2月高値の122.022円の間の値幅6.472円の範囲のボックス相場でしたが、2月の下落によって、この下限(115.550円)を下抜けた動きになりました。
これによって、当面の下値のメドは、1ドル=115.550円から6.472円下落した109.078円がターゲットになってくると思います。
当面の値動きを日足で考えると、2月11日安値110.950に対して、2月16日高値114.874円を抜くことができるかどうかがポイントになります。114.874円を抜き切ることができれば、ダブルボトムのネックラインを突破したことになって、一段高へ向かう公算が高まります。その際には、2月11日安値から16日高値までの値幅を考慮し、1ドル=118.798円が目標値としてあげられます。
一方、下値は1ドル=110円が心理的なフシ目として意識されます。また、先ほどの新たなレンジの下限である109.078円。これらの水準を下回ると、2011年安値75.320円から2015年高値125.853円の38.2%押しの106.549円。また、2分の1押しの100.587円などがみえていきます。3年にわたって上昇した大きな上昇波の調整という局面ですので、ある程度の値幅が出てもおかしくありません。
当面の予想レンジは、1ドル=111円~119円でみています。
――ポンド/円が急落しています。英国がEUから離脱することを問う国民投票が今年6月に控えていることが、ポンドの先行きを不透明にしているようです。当面のポンド/円の見通しは?
月足で見ると、2011年安値から2015年高値の上げ幅の2分の1押し(1ポンド=156.342円)を割り込んだものの、一目均衡表の雲の上限(153.513円近辺)を前に下げ渋る展開になっています。
ポンド/円は週足、日足でみても、いずれも転換線が上値を抑える三役逆転の足になっているため、当面は弱い相場が続くでしょう。月足の一目均衡表の雲の上限がサポートラインとして機能するものかどうかを見極めることが必要です。
雲の中に入ってしまうと、2011年安値から2015年高値の上げ幅の61.8%押しの147.010円や、雲の下限(145.822円)が位置する140円台後半が次のメドになってきます。
英国の国民投票の行方は混とんとしているため、投票結果が明らかになるまでは、1ポンド=147円~164円のレンジで、戻っても売られやすい展開が続くでしょう。
――その他、注目されている通貨ペアは?
動きが大きくなっているユーロ/円に注目しています。2012年安値から2014年高値の上げ幅の2分の1押し(1ユーロ=121.930円)が機能して一旦は下げ止まった動きになっています。前週(2月22日~26日の週)の週足が「たくり足」という形で、今週の週足のカタチによっては、当面の底打ちサインになる可能性もあります。
ただ、今週も下落基調が止まらないようであれば、2013年2月安値(118.730円)が位置する120円割れの水準にまで一段安になる可能性があります。
2月のG20において、「通貨安競争を回避する」ということで合意し、通貨の下落につながるような政策決定を行う際には事前に通知することで合意したとも伝えられています。これは、依然として金融緩和方向に向かってカジを切りつつある日銀やECBの手足を縛ることにもつながりかねません。このため、日銀もECBもともに動きづらい状況になってしまっていますので、どちらかから積極的な材料が出てくることは難しくなるかもしれません。
当面は、日足で転換線(124.924円)や基準線(127.374円)が抵抗線として働く上値の重い展開が続くでしょう。
当面の予想レンジは1ユーロ=125円~118円とみています。(編集担当:徳永浩)
外為どっとコム総研のシニア テクニカルアナリストである川畑琢也氏(写真)は、当面は日本円が強含む展開が続くとみている。
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2016-03-01 09:30