【為替本日の注目点】日米金融政策を見極める展開か

 ドル円は株高と金利の上昇を背景に底堅く推移したものの114円には届かず、依然として上値の重い展開が続く。  ユーロドルも堅調に推移。1.11台後半まで買われ、ECBの追加緩和の影響を見極める展開。ユーロ円は約3週間ぶりに127円台に。  原油価格が堅調なことから、株価は続伸し、ダウは218ドル高と今年の最高値に迫り、S&P500は最高値を更新。  原油高、株高に債券相場は軟調に推移。長期金利は1.98%台まで上昇し、3週連続で下落する。  金は反落。原油は66セント上昇し、38ドル台半ばに。 ドル/円113.34 ~ 113.87 ユーロ/ドル1.1087 ~ 1.1193 ユーロ/円126.14 ~ 127.29 NYダウ +218.18  → 17,213.31ドル GOLD -13.40 → 1,259.40ドル WTI +0.66    → 38.50ドル 米10年国債 +0.052  → 1.984% 本日の注目イベント 欧   ユーロ圏1月鉱工業生産  原油価格が安定し、これを好感してNY株が続伸しS&P500指数は、ついに今年の最高値を更新して来ました。年初から大きく売られた株価が戻ってきたなかで、年初の水準を確保できていないのがドルと金利です。ドル円は120円からは大きく円高方向で推移しており、ユーロドルも円ほどではないにしろ、ユーロ高 に振れています。  ドルが年初の水準に届いていないのは、米国の利上げ観測が後退していることが最大の原因です。今年は4回利上げが見込まれていたものが、足元の金利先物から推計すると1回程度ということになり、これがドルの上値を重くしているためです。今週後半には今年2回目のFOMCが開催され、ここで利上げがあるのかないのかが注目されますが、大方の見方は「利上げ見送り」に傾いています。  米国では依然として労働市場は拡大しており、2月の雇用統計でも雇用者数は予想を上回っていました。またインフレ率も、1月のPCEコアデフレーターは1.7%と、FRBの目指す2%には届いていないものの、じりじりと上昇傾向にあります。この2つを見る限り「利上げ」も視野に入りますが、問題はそれ以外の経済指標が冴えないことで、今回の利上げは見送られるとの観測が高まっています。個人的にはそれ以外にも、原油、中国といった不安定要素がまだ払拭できないことが、もうひとつの大きな理由かと考えています。上で述べたように、原油価格と株価は一時ほどの混乱を見せてはいませんが、ここはまだ「小康状態」と 思われます。  米長期金利は年初には2.2%台で推移していました。WTI原油価格が26ドル台を記録した2月11日には、1.65%台まで金利は急低下しました。これは米国債が世界で最も安全な資産の一つであるということと、流動性が高くいつでも売ったり、買ったりできることも、選好される理由の一つです。  また、ECBや日銀など幾つかの国でマイナス金利を導入していることも影響しています。自国の中央銀行に資金を預けたら金利を払わなければならないだけではなく、リスクをとらずに金利を得る手段がなくなっている状況です。そのため、低金利とは言え、金利のつく米国債に資金が向うのは自然なことです。  市場が落ち着きを取り戻し、投資家がリスクを取れるようになれば、さらに株価が上昇し、債券が売られ金利が上昇することになりますが、それにはまだ時間が必要です。少なくとも原油価格が40ドル台を回復する必要があり、50ドル台まで反発するようなら米長期金利も2%台中頃まで上昇している可能性があります。  今週は、上記FOMCの前に日銀の金融政策決定会合もあります。先週のECB同様、これらの会合結果を受けて市場が混乱するのは必至でしょう。 ドル円では110-115円のレンジが、どちらに抜けるのかを見極めることになります。本日のドル円は113円~114円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は株高と金利の上昇を背景に底堅く推移したものの114円には届かず、依然として上値の重い展開が続く。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-03-14 09:45