【為替本日の注目点】インフレ率鈍化で利上げ観測やや後退

 ドル円はアジア市場で113円68銭近辺まで上昇したが、NYでは上値を抑えられた。インフレ率が予想ほど上昇していなかったことから、利上げは急がないといった見方が広がり、113円15銭まで反落。  ユーロドルは反発。1.1220まで買われ、ユーロ円も約3週間ぶりに127円台に。  株式市場は利上げの見通しが定まらずまちまち。ダウは19ポイント上昇したものの、ナスダックは6ポイント下落。  債券相場はもみ合いから反発。PCE・コアデフレーターが伸びなかったことから買いが入った。長期金利は1.88%台に低下。 金は続落し、原油も小幅に続落。 2月個人所得        →   +0.2% 2月個人支出        →   +0,1% 2月PCEコアデフレーター →   +1.7% 2月中古住宅販売成約指数  →   +3.5% ドル/円113.15~ 113.50 ユーロ/ドル1.1116 ~ 1.1220 ユーロ/円126.61 ~ 127.05 NYダウ  +19.66  → 17,535.39ドル GOLD -2.40  → 1,221、60ドル WTI  -0.33    → 39.46ドル 米10年国債-0.014   → 1.886%   本日の注目イベント 日   2月失業率 欧   ユーロ圏2月マネーサプライ 米   1月ケースシラー住宅価格指数 米   3月消費者信頼感指数 米   イエレン・FRB議長講演 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演    ドル円は昨日しっかり113円台に乗せ、一時は113円68銭あたりまで買われました。一部報道で、政府が2017年4月の消費税増税を延期する方針を固めたと伝えられたことが材料となり、ドル買い円売りが強まりました。その後、菅官房長官が「そのような事実はない」と否定していましたが、どうやら方向としては「延期」に向っているように思えます。  ドル円はそれでも上値は限定的で、NYでは113円台半ばを超えていません。むしろ、PCE・コアデフレーターが予想を下回り、さらに先月分が下方修正されたことから「利上げは急がない」といった見方も出て、ドル売りが優勢になっています。  2月のPCE・コアデフレーターは1.7%と、わずかな増加にとどまり、消費者が所得の増加分を貯蓄に回したことが示されました。FRBが注目するインフレ指標が鈍化したことで、先週から急速に高まった4月利上げ観測がやや後退した格好です。市場は利上げの道筋を見極めにくく、方向性も見つけにくい展開が続いている(ブルームバーグ)といった雰囲気です。  米利上げは早くとも6月と見られていましたが、相次ぐ連銀総裁の「タカ派的」発言で、イエレン議長の記者会見がなくとも、4月利上げの可能性が出てきました。 もちろん、それも経済指標次第というところですが、その鍵を握るのが昨日のPCE・コアデフレーターと、今週末の雇用統計です。前者は4月利上げの追い風にはなりませんでしたが、雇用統計の前に、今夜はイエレン議長の講演があります。  講演はNYで、夜中の1時20分から予定されていますが、ここで議長が先週聞かれたような利上げに前向きな発言をするようだと、4月利上げの可能性がさらに高まることになります。利上げに対する市場の見方がややネガティブなことから、修正する意味で、「タカ派的」発言をしたのではないかとの見方もありますが、もしそうだとすれば、イエレン議長もFOMCメンバーと同様な発言をする可能性が高いと予想されます。  先週末に発表された10-12月期のGDP確定値も上方修正され、中国不安も後退しています。1月から2月にかけて市場が大きく混乱し、乱高下したことから3月利上げが見送られたわけですが、これら外部環境が落ち着きを取り戻していることを考えれば、4月利上げも全くないとは言えません。先週の相次ぐ「タカ派発言」を、フォワードガイダンスの一種と考えることもできるのではないでしょうか。本日のドル円は112円70銭~114円程度と予想します。
ドル円はアジア市場で113円68銭近辺まで上昇したが、NYでは上値を抑えられた。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-03-29 09:30