【為替本日の注目点】米利上げペース鈍化にドル安株高

 前日のイエレン発言の影響が残り、ドル円は夕方には112円近辺まで下落。NYでは112円前半から半ばで推移し、動意に乏しかった。  ユーロドルは続伸。米利上げペースがさらに遅くなるとの見方からドル売り、ユーロ買いが優勢となり1.1365まで上昇。  株式市場は続伸。4月利上げの可能性が低下し、株式には買い安心感が広がる。ダウは4日続伸し、1万7700ドル台を回復。  債券相場は30年債を中心に反落。明日の雇用統計を前に、取引は盛り上がらず。長期金利は小幅に上昇し1.82%台に。  金は反落。原油は朝方は売られたが小幅に反発して引ける。 3月ADP雇用者数 →  20.0万人 ドル/円112.35~ 112.67 ユーロ/ドル1.1301 ~ 1.1365 ユーロ/円127.31 ~ 127.82 NYダウ +83.55  → 17,716.66ドル GOLD -8.90  → 1,228.60ドル WTI +0.04    → 38.32ドル 米10年国債+0.023  → 1.827% 本日の注目イベント 独   独2月小売売上高 独   独3月雇用統計 欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値) 英   英10-12月期GDP(確報値) 米   新規失業保険申請件数 米   3月シカゴ購買部協会景気指数 米   ダドリー・NY連銀総裁講演  前日のイエレン議長の発言を材料に、引き続き株価は上昇しドルが売られる展開です。ドル円は昨日の夕方には112円近辺まで売られ、下値を試す流れになっています。米利上げのペースがゆっくりとしたものになるとの見方が優勢となり、NYダウは4日続伸。1月から2月にかけて見られた株式離れが、まるでうそのような展開です。 ダウは昨年11月に記録した史上最高値に100ドル余りの水準まで買われ、日経平均株価との違いを鮮明にしています。  先週急速に高まった4月利上げ観測が、イエレン議長の利上げに関する慎重な発言で一気に後退し、ドルは主要通貨に対して下落しました。ドル円は1週間ぶりに112円前後まで売られ、ユーロドルも「目先の上限」に近い1.130-50水準を再び試す展開です。ユーロドルは2月11日と3月17日にもこの水準をテストし、いずれも押し戻されています。この水準を上抜けできれば、1.15辺りまで上昇する可能性も出てきそうです。  米追加利上げが4月なのか、あるいは6月にずれ込むのかが、為替の水準を決めているような動きになっていますが、昨日は「ハト派」の重鎮であるシカゴ連銀のエバンス総裁が講演で、「例えばFOMCが3月に発表した予測中央値で示されたように、向こう3年間の金融正常化は非常に低い軌道をたどるのが最も適切だろう」と述べています。(ブルームバーグ)  また同総裁は年内2回の利上げは十分可能だとしながらも、4月利上げには否定的な考えを示し、早くても6月との見方を示しています。昨年12月の初回利上げの際には、米景気の堅調さを強調し、FOMCメンバーのドットチャートでは今年4回の利上げが見込まれましたが、その後の原油安や、中国景気の減速で、利上げのギアを 下方にシフトした印象があります。  ただ米景気の実態は、そのころと大きな変化はありません。昨日のADP雇用者数も20万人と、僅かですが市場予想を上回り、明日の雇用統計に期待をつなげた 格好です。鈍化が懸念される製造業についても、米大手投資銀行は「底入れの兆し」があるとのレポートを発表しています。  事実、NY連銀製造業景況指数やフィラデルフィア連銀指数など、多くの製造業指数が急速に回復しています。そのため、今後の経済指標次第では再び4月利上げ観測が高まることも、ないとはいえません。110-115円のレンジが抜けるとすれば、110円の可能性の方が高いと、個人的には予想していますが、まだ確信をもてる程のものではありません。  本日は昨日と同水準で推移している上、雇用統計を明日に控え動きにくい展開が想定されます。112-113円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は113円台後半から急落。イエレン議長が利上げに対する慎重な姿勢を示したことで、112円61銭まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-03-31 10:00