トルコ首相辞任でトルコリラ急落?=為替王

トルコでは大統領と首相の対立が激化しトルコリラが急落しました。今回のトルコの政治のゴタゴタはちょっとやっかいです。トルコ政局とトルコリラ見通しについて、Q&A形式で解説いたします。
Q:トルコは大統領も首相もいるの?どっちが偉いの?
A:トルコには大統領も首相もいます。もともとトルコは、日本と同じように国民に選ばれた国会議員が、議会で首相を選出する制度のため、首相が強い権限をもっており、大統領はほぼ「お飾り状態」でした。しかし、憲法改正により2014年に初めて、大統領も国民投票で直接選ばれる制度に移行。「国民に直接選ばれた大統領」であるがゆえに、最近は、大統領の権限が強化される流れが強まっていました。
Q:なぜ、トルコの首相が辞めるの?
A:大統領の権限強化を目指すエルドアン大統領と、それに抵抗するダウトオール首相。同じ政党で、もともとはエルドアン氏が、後継者としてダウトオール氏を党首ならびに首相に指名したのですが、結局、首相の権限が小さくなることに抵抗を強めていたダウトオール首相が事実上、更迭される形で、辞任表明するに至りました。
Q:トルコリラへの影響は?
A:同じ政党内の権力争い的なものならば、別にどうってことはないのですが、今週、大統領と首相の対立激化が表面化してから、トルコリラが急落しました。(今月始め1リラ=38円だったのが、今週は一時35円台に突入し、週末は36円台半ば)。 この背景として、トルコ国内の政局という問題ではなくて、世界的な火種になることが懸念されています。
Q:トルコ首相辞任が、どうして世界の火種になるの?
A:トルコの大統領(エルドアン氏)といえば、良くいえば強力なリーダーシップがあり、事実、近年のトルコの経済成長は、彼の手腕によるものだと多くの経済専門家も評価しています。一方で、悪くいえば独善的な面もあり、この先、大統領の権限が強化されると、外交問題が生じやすくなるのではとの懸念もあります。一番、懸念されるのはEU(欧州諸国)との関係悪化です。
Q:どうしてトルコとEUの関係が心配なの?
A:ダウトオール首相は、EUの要求(不法移民をトルコに引き戻す要求)などを受け入れながら協調関係を目指してきましたが、エルドアン大統領はEUの条件を丸のみすることに否定的です。「難民問題」だけでなく「テロとの戦い(対IS過激派対策)」も、EUとトルコの協力が不可欠なのですが、両者に溝ができると、また世界的なリスク(テロなどの地政学的リスク)が高まり、金融市場が振り回される展開も予想されます。
Q:今後のトルコリラ見通しは?
A:今週はとりあえず、懸念により、トルコリラが急落しただけで、目に見える形で大きな不安材料が出たわけではありません。目先はこの1リラ=36円台が下値メドになると思われます。(執筆者:為替王)
トルコでは大統領と首相の対立が激化しトルコリラが急落しました。今回のトルコの政治のゴタゴタはちょっとやっかいです。トルコ政局とトルコリラ見通しについて、Q&A形式で解説いたします。
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2016-05-07 21:15