【為替本日の注目点】米4月のCPI上振れる

ドル円はドル買いが優り、109円台半ばを超えたがCPIなどの経済指標が上振れしたことや、連銀総裁の発言などが影響して反落。利上げ観測の高まりから株価が軟調となり109円を割り込んだ後109円10-20銭で引ける。ユーロドルは引き続き小動き。1.13台前半で推移し、上値は重いものの方向感に欠ける。
株式市場は大幅に反落。消費者物価指数などが予想を上回ったことで利上げ観測の高まりにつながった。ダウは180ドル下げ、連日値幅の大きな動きが続く。
地区連銀総裁がタカ派的な発言を繰り返したことや、経済指標に反応し、10年債は売られる。長期金利は1.77%台まで上昇。金は上昇し、原油価格も続伸し7カ月ぶりに48ドル台に。
4月住宅着工件数 → 117.2万件
4月建設許可件数 → 111.6万件
4月消費者物価指数 → +0.4%
4月鉱工業生産 → +0.7%
ドル/円108.84 ~ 109.65
ユーロ/ドル1.1302 ~ 1.1349
ユーロ/円123.37 ~ 123.97
NYダウ -180.73 → 17,529.98ドル
GOLD +2.70 → 1,276.90ドル
WTI +0.59 → 48.31ドル
米10年国債 +0.019 → 1.772%
本日の注目イベント
日 1-3月GDP(速報値)
欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(改定値)
英 英4月雇用統計
米 FOMC議事録(4月26、27日分)
ドル円はNY市場では109円台半ばまで上昇しましたが、前回と同じように、ここからは110円台を試すことなく反落しています。「いつか来た道」というイメージですが、昨日は消費者物価指数など、経済指標が揃って良好で、市場予想を超えていたため、後退していた6月の利上げ観測が再び盛り返し、株と債券が売られ、リスク回避の流れから円買いドル売りにつながったものです。
4月の消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と、2013年2月以来の高水準でした。項目別でもエネルギーは前月比3.4%の上昇で、ガソリンは8.1%と、こちらは2012年8月以来の大幅上昇です。これらを見る限り、「インフレの芽は出つつある」(ブルームバーグ)との見方が強まっています。
今後はFRBが注目する、PCEコアデフレーターにも影響を及ぼしそうです。
同時に発表された鉱工業生産も上振れしていました。
これら経済指標に加え、地区連銀総裁の発言も利上げ観測を高めることに一役買っています。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は「現在のところ私の想定では2回、場合によっては3回実施される可能性はあり」、利上げ回数は「経済情勢の展開次第だ」と述べています。
また、ロックハート・アトランタ連銀総裁もFOMC予測における「緩やかな、という表現は年2、3回の利上げを意味する」と述べ、「市場は確実に私よりも悲観的だ」とも語っています。(ブルームバーグ)気がつくことは、ほぼ全ての連銀総裁は年内利上げを2~3回と予想しており、イエレン議長とは温度差があることです。
さらに市場の共通する見方である「年1回あるかないか」という予想とは大きく異なります。個人的には、今年の後半に向って利上げ観測が高まり年内ゼロということはなく、2回程度と予想しています。市場が利上げに対して極端に悲観的だという見方にも同調します。
もっとも、それは足元の状況を言っているのではなく、まだドルの上値は重いという印象は変わっていません。チャートを観ると、「8時間足」では3月以来120日線で上昇を抑えられており、ここを抜けきれるかどうかが重要です。「日足」では既にMACDがゴールデンクロスを見せてはいますが、まだ「マイナス圏」です。110円台に乗せれば「プラス圏」に入り、上昇に弾みがつくことも考えられます。ただしそれでもトレンドの転換を示す「日足」では、「雲」を抜けるのに相当な値幅が必要です。
足元のドル円はG7前のショートカバーもあり、上値を試す流れにはなっていますが、米国サイドからは110円を大きく超えていく材料は出にくいと思われます。
昨日のように、経済指標が上振れすれば、株価が下落してリスクオフが進みます。そのため、ドル円を押し上げる材料は日本サイドに期待が集まります。それは、G7で日本側が急激な円高が進んだ際には介入もあり得ることで理解を得られるのかどうか。あるいは、再び高まってきた6月の日銀決定会合での追加緩和などです。
本日は日本の1-3月期GDP速報値が発表されます。結果次第では上記6月会合での追加緩和の可能性に影響を与えます。本日のレンジは108円60銭~109円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はドル買いが優り、109円台半ばを超えたがCPIなどの経済指標が上振れしたことや、連銀総裁の発言などが影響して反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-05-18 10:30