【為替本日の注目点】ドル円110円を挟んでもみ合い

 ドル円は底堅い動きをみせてはいるものの、110円台ではドル売り意欲も強く上昇は一服。NY連銀総裁の講演も利上げには前向きだったが反応は限られ、110円近辺で取引を終える。  ユーロドルは続落。米利上げ観測の高まりを背景に、一時は約3週間ぶりとなる1.1180までユーロ安が進行。利上げ観測が強まっていることから主要株価指数は続落。ダウは91ドル下げ、3日続落。  債券市場は前日の急落から小幅に反発。ブラックロックは米国債市場にとっては再び利上げを織り込み始める時期だと指摘。金は続落。原油も小幅ながら続落し48ドル16セントに。 新規失業保険申請件数          → 27.8万件 4月景気先行総合指数          → 0.6% 5月フィラデルフィア連銀景況指数    → -1.8 ドル/円109.70 ~ 110.22 ユーロ/ドル1.1180 ~ 1.1227 ユーロ/円122.92 ~ 123.31 NYダウ -91.2 → 17,435.40ドル GOLD -19.60  → 1,254.80ドル WTI -0.03    → 48.16ドル 米10年国債 -0.006  → 1.849% 本日の注目イベント 日   G7(仙台) 米   4月中古住宅販売件数 加   カナダ3月小売売上高 加   カナダ3月消費者物価指数  連日FOMCメンバーによる講演で6月利上げの可能性が高まってきていますが、昨日もイエレン議長に近いとされるNY連銀のダドリー総裁や、リッチモンド連銀のラッカー総裁の講演がありました。いずれも6月利上げには前向きで、これまでの連銀総裁と歩調を合わせる内容でした。  ダドリー総裁は、今後の経済指標が重要だとしながらも、6月か7月の利上げが適切との認識を示しました。またラッカー総裁はさらに突っ込んだ言い回しで、「6月に金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」としながら、世界経済に伴うリスクは「完全になくなっている」とも述べています。  前日のサンフランシスコ連銀総裁などの発言と同じように、多くのFOMCメンバーは慎重ながらも6月利上げには前向きです。こうなると、残るは影響力の最も大きいイエレン議長の認識です。来週27日には同議長の講演が予定されていますが、これまで以上に注目度が高まりそうです。6月3日に5月の雇用統計が発表されますが、ここで余程悪い数字が示されない限り、6月利上げの可能性は高いと見られます。  本日から仙台でG7が開催されます。焦点は、日米で足元の為替の動きに対する認識が異なっており、日本側の主張がG7の中で理解を得られるのかどうかという点です。 4月の日銀金融政策決定会合で政策維持が決まって以来急速に円高が進み、数日間で6円以上ものドル安円高が進行しました。その後は麻生財務大臣の「介入発言」や、黒田日銀総裁の、追加緩和に対する発言が微妙に変わったことからドルが買い戻され110円台まで戻っています。  米国は財務省を中心に依然として円は秩序的だと、円安誘導をけん制する姿勢を維持しています。つい先日安倍首相は「1億総活躍プラン」を発表し、その中で2020年までにGDP600兆円達成を掲げました。この目標達成はそう簡単ではありません。  少なくとも、これ以上円高が進み景気が後退するようでは早くも黄信号が灯ることになります。日本の景気回復が、G7諸国にとってもプラスになることを前面に出し、理解を得られるのかどうかが焦点です。  ドル円は底堅い動きを見せながらも110円台前半から半ばでは、ドル売りの壁に当たっているようです。 NYでは109円70銭まで落とされた後再び110円台に戻すところを見ると、これまでの動きとやや異なるようです。  6月利上げ観測がドルの下落をサポートしている構図ですが、この状況がいつまで続くのか、また何をきっかけに再び円買いが強まるのか注意深く見ていかなければなりません。  先ずは本日のG7から来週のサミット、あるいはイエレン議長の講演ということになります。本日のレンジは109円50銭~110円50銭と、昨日と同じ程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は底堅い動きをみせてはいるものの、110円台ではドル売り意欲も強く上昇は一服。NY連銀総裁の講演も利上げには前向きだったが反応は限られ、110円近辺で取引を終える。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-05-20 09:30