みずほ銀行「SMART FOLIO」が大進化、投資目標と将来キャッシュフローを踏まえ運用提案

みずほ銀行のロボアドバイザー「SMART FOLIO」が大きく進化した。みずほダイレクトを利用する顧客向けに3月からスタートした新しい「SMART FOLIO」は、国内初となるゴールアプローチ分析機能や保険の選定サポート機能等、高機能な付加サービスを提供している。大幅に機能をレベルアップした「SMART FOLIO」について、みずほ銀行 執行役員 個人コンサルティング推進部 部長の仙波陽平氏(写真=右)と同ツールの開発をサポートしたモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏(写真=左)が対談した。
朝倉 2015年10月にスタートしたロボアドバイザー「SMART FOLIO」は、メガバンクで先駆けたポートフォリオ提案ツールとして大きな話題になりました。今回、「みずほダイレクト」の利用者向けに一段と機能を充実させた「SMART FOLIO」をサービス開始なさいましたが、その狙いは?
仙波 「SMART FOLIO」はサービス提供開始以来、期待以上に多くのお客さまにご利用いただいています。24歳~54歳の資産形成層が利用者全体の65%を占め、その中心は35歳~44歳の方々です。また、55歳以上の利用者も全体の30%を占め、いわゆるデジタルシニアと呼ばれるシニア層にも広くお使いいただいています。
最新の金融技術を活用した国内最高レベルの投資関連サービスを無料で提供することで、メガバンクとして国内投資家の資産形成の取り組みのすそ野拡大に貢献したいという願いは、お客さまに届いていると感じました。そこで、みずほ銀行をご利用いただいているお客さまに、より実践的にご活用いただけるサービスを提供したいと考えました。
2015年10月に提供を開始した「SMART FOLIO」は、低コストのインデックスファンド「i-mizuho」が提案されますが、今般、機能レベルアップをした第2段階では、対象商品をネット取扱い全商品に広げました。
また、お客さまの投資目標と将来キャッシュフローの変化を踏まえた投資信託のプランをご案内し、お客さまのライフステージの変化に応じてポートフォリオの見直しをすることもできます。投資目標を設定し、そのゴールに到達するためのステップを具体的にご案内するのは、本邦初のサービスであると自負しています。
朝倉 新しい機能について、開発のポイントを紹介してください。
仙波 「ゴールアプローチ分析機能」は、お客さまが設定した投資目標を達成するために、将来のキャッシュフローを踏まえた理想的な資産配分を提案します。お客さまのリスク許容度に応じた運用ポートフォリオ提案から一歩踏み込んで、「目標」と「キャッシュフローの変化」を分析対象に加え、効率的な運用が可能になります。
この投資目標に対する進捗状況を確認できるように「投信サマリー機能」を追加しました。保有投信の損益状況や資産配分状況、投資対象国の分散状況などが一覧で表示されます。また、投資目標を設定されたお客さまは、投資目標金額に対する現在の達成率やモデルポートフォリオとのギャップ等が表示されます。お客さまが他行でお持ちの資産も管理できますので、この投信サマリーページを定期的にご覧いただくことで、運用の現状を毎日、把握できます。
そして、現在のポートフォリオがモデルポートフォリオと比較して大きなかい離ができた場合、あるいは、モデルポートフォリオを見直す必要が生じた場合、「リバランス」のボタンを押していただくことによって、既存のポートフォリオとモデルポートフォリオのかい離を埋めるための投信の追加購入と解約のプランを表示することができます。
このように、投資目標を設定していただくことで、目標金額と時期が明確になり、さらに、収入と支出等、お客さまのライフイベントに応じた将来キャッシュフローを踏まえた各年齢における運用方針をご提案します。そして、そのゴールに対する進捗状況をご確認いただきながら、ライフステージに応じた見直しも適宜行っていただくことができます。
さらに、今回の新サービスでは、「保険商品の選定サポート機能」も追加しました。簡単な質問にお答えいただくことで、お客さまが必要とされる保険ニーズに相応しい保険商品をリストアップできます。
朝倉 リスク許容度をベースに、投資目的に応じたポートフォリオ運用を行い、市況変化等によって崩れたバランスを調整する機能も提供するのは、資産運用プラン策定の王道、本来の姿といえます。ただ、せっかくの機能があっても、これを実際に使っていくことが大事です。「みずほダイレクト」のお客さま向けですから、銀行側から働きかけることには限界があると思いますが、継続的に使ってもらうための工夫は?
仙波 まずは、お客さまに使っていただきやすいユーザインターフェイス(UI)として、簡単に使いやすく、機能の利便性を実感していただきやすい工夫をしました。
また、アフターフォロー機能を充実させることで、継続的にお客さまの資産形成をサポートします。具体的には、投資目標に対する進捗状況等を、メール等を用いてお知らせをします。
今後の取り組みとしては、支店など店頭サービスと融合を図っていくことが重要なポイントだと考えています。たとえば、各機能の利用状況等を確認することで、支店で開催している休日相談会を案内することも可能です。「SMART FOLIO」は自宅で好きな時間に、資産運用プランを考えるには便利なツールですが、時にはフェイスツーフェイスで相談することで、新たなニーズに気付いたり、満足度が高くなることもあると思います。
また、店頭のファイナンシャルコンサルタントは、「SMART FOLIO」の情報をお客さまと共有することによって、より豊かなコミュニケーションができるようになると思います。ご自宅でも店頭でも、「SMART FOLIO」を共通のプラットフォームとして活用する機会を増やしていきたいと考えています。
朝倉 今回、新たな機能を追加したことで、「SMART FOLIO」は他社が提供しているロボアドバイザーと比較して、一段と実践的な運用サポートツールに進化したように思います。国内初のサービスを他社に先駆けてリリースしているこだわりは?
仙波 投信等の資産運用商品は、対面チャネルのみならず、非対面チャネルにおいても大きく拡大すると見通しています。今回、みずほダイレクト会員の方々に提供開始しました「SMART FOLIO」は、お客さまに無理のない資産運用を継続的に行うことを促し、将来に設定された投資目標の実現に向けたサポートになるようにご活用いただきたいと考えています。
各種機能のご利用状況や、また、サービス内容に対するご意見等を聞かせていただき、より良いツールへの改善につなげていきます。また、このダイレクトチャネルを通じたお客さまのニーズは、営業店の販売員に展開することによって、商品提供プロセスの一層の標準化、また、コンサルティング力の向上につながると考えています。
みずほ銀行は、営業店もダイレクトチャネルも、お客さまが必要とされているご要望に常に最高のサービスレベルで応えられる存在でありたいと考えています。そのためにも、ロボアドバイザーの分野においても、常に業界をリードする存在であり続けたいと思っています。
また、お客さまのご期待に応えるには、常に進化し続ける、終わりのないマラソンのような取り組みが必要ですが、これを追求することによって、お客さまの満足度が高まり、結果として当行と末永くお取引いただけることにつながると信じています。
朝倉 「SMART FOLIO」のこれからの展望は?
仙波 みずほダイレクト会員向けに提供を開始した新しいサービスは、引き続きバージョンアップを図っていきます。ビッグデータ、あるいは、AI(人工知能)という分野は日進月歩です。技術革新の成果を取り入れて、各種機能の高度化を図っていきます。
「SMART FOLIO」をきっかけとして投資を始めたお客さまが、今後も本サービスを通じて金融リテラシーを高めていけるような教育コンテンツの導入や、将来的にはAI等のテクノロジーを活用した機能向上等を検討しております。
ロボアドバイザー「SMART FOLIO」のサービスは、まだ提供開始したばかりですが、様々な可能性を秘めたサービスです。今後も最先端のサービスを当行発で提供していきたいと思っています。ご期待ください。
大幅に機能をレベルアップした「SMART FOLIO」について、みずほ銀行 執行役員 個人コンサルティング推進部 部長の仙波陽平氏(写真=右)と同ツールの開発をサポートしたモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏(写真=左)が対談した。
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2016-05-25 09:15