【為替本日の注目点】ドル円急落し109円近辺に

 111円を挟んでもみ合いが続いていたドル円は東京時間に110円を割り込み、NYでは1週間ぶりに109円05銭まで下げる。消費増税延期も既に織り込まれ日本株の大幅安に連れ、ドル売り円買いが加速した。  ユーロドルは引き続き小動き。本日のECB理事会を控え、1.11台半ばから後半で推移。  株式市場は下落で始まったが徐々に下げ幅を埋め、結局主要3指数ともプラスで取引を終える。  債券市場は小幅に上昇。雇用関連指数の発表を控え小動き。10年債利回りは1.83%と小幅に低下。  金は反落。原油価格はOPEC総会を睨み神経質な動きを見せたが、23セント安。  5月ISM製造業景況指数 → 51.3 ドル/円109.05 ~ 109.70 ユーロ/ドル1.1145~ 1.1194 ユーロ/円121.88~ 122.63 NYダウ +2.47 → 17,789.67ドル GOLD  -2.80  → 1,214.70ドル WTI -0.09  →  49.01ドル 米10年国債 -0.011 → 1.835% 本日の注目イベント 豪   豪4月貿易収支 豪   豪4月小売売上高 日   5月マネタリーベース 欧   ユーロ圏4月生産者物価指数 欧   ECB政策金利発表 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見 欧   OPEC総会(ウイーン) 米   5月ADP雇用者数 米   新規失業保険申請件数 米   パウエル・FRB理事講演 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演  安倍首相は昨日の夕方記者会見で、正式に消費税増税を2019年10月まで延期することを発表しました。世界経済のリスクを前面に出し、それに備えるため増税はできないとの判断を示したわけです。「再延期はない」とした、2014年の自信の発言に対しても「批判は真摯に受け止める」とし、「7月の参院選で信を問う」と述べています。  消費増税延期は、本来株価にとってはプラス材料で、株価の上昇がドル円を押し上げるとの予想もありましたが、既に市場に織り込まれていたことから、目先の材料出尽くしと受け止められ、市場の反応は「ドル売り、株売り」でした。タイミングが悪かったと言えるのでしょうか、これまで111円を挟んでもみ合いを続けていたドル円は急落し、1週間ぶりに109円台前半まで円が買われ、株価の上昇も6連騰でピリオドを打ちました。  109円近辺までドル売りが進んだことで、結局、一目均衡表の「雲」(日足)は抜け切れずに、上昇を止められた格好になっています。昨日も述べましたが、上記「雲」を抜け切ることができればもう一段の上昇も見込め、110-115円の新しいレンジを形成できた可能性もあります。  一方、このまま109円を割り込むようだと、再び105-110円のレンジに戻ることも予想されます。  1カ月前に105円台半ばまで売り込まれたドル円はその後、後退していた米利上げ観測の高まりと、急激な円高に対する介入警戒感、さらには消費税先送りと景気刺激策などから、111円台半ばまで反発しました。  111円台からさらに上昇して115円に向うには、日銀による援護射撃などの材料が必要だと考えていましたが、昨日のドルの急落を目にすると、まさにその通りでした。105-110円のレンジに戻ってしまえば、何かのきっかけで再び105円台を試すことも予想され、111円前後での推移は今後の動きを想定する上で「正念場」でした。  ただ今月はまだまだ材料があり、これでドルの天井を確認したかどうかはわかりません。  本日はADP雇用者数の発表があり、明日は雇用統計です。先週末のイエレン発言では「数カ月内の利上げが適切になるだろう」との内容でした。上記雇用関連指標が大きく上振れするようだと、6月のFOMCでの利上げも考えられますが、個人的にはイギリスの国民投票の日程を考慮し、7月での利上げを予想しています。  ドル円は109円近辺まで急落したことで、「1時間足」はおろか、「日足」まで雲を下抜けしています。  現時点では「MACD」でデッドクロスは点灯していないことと、依然として「プラス圏」で推移していることを考えると、109円前後で踏みとどまっていることができれば、まだ上昇の可能性は残されていると思います。  先ずは、本日のADP雇用者数やECB理事会での政策内容を見極めることと、OPEC総会の動きも重要になります。このコメントの冒頭での触れたように、安倍首相は再度アベノミクスの復活に全力を注ぎ、政策も総動員すると述べていました。  この「総動員」の中に、日銀の追加緩和も意識されているのかどうか、興味のあるところです。正面切って日銀にプレッシャーを与えることはないでしょうが、4月会合での「ゼロ回答」の苦い経験もあります。あと2週間余りでその答えも出ます。 本日のレンジは109円~110円程度と予想します。  (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
111円を挟んでもみ合いが続いていたドル円は東京時間に110円を割り込み、NYでは1週間ぶりに109円05銭まで下げる。消費増税延期も既に織り込まれ日本株の大幅安に連れ、ドル売り円買いが加速した。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-06-02 09:15