【為替本日の注目点】FRB議長利上げ時期には触れず

 ドル円は107円台で底堅く推移。イエレン議長の講演を受け、株価は反発し長期金利も上昇したことで、ドルが買い戻された。一時は107円66銭まで買われ、この日の高値圏で引ける。  ユーロドルは小反発。1.13台前半から後半で推移し、ユーロ円の買い戻しもユーロを押し上げた。  イエレン議長が利上げの時期に言及しなかったことから、株価は揃って反発。ダウは113ドル上昇し、1万7900ドル台を回復。S&P500は7カ月ぶりの高値を回復。 株価の反発から債券は売られる。前日急騰したこともありこの日は上げ一服。長期金利は1.73%台まで上昇。 金は続伸。原油価格はナイジェリアのパイプライン破壊のニュースに反発し、49ドル69セントまで上昇。 5月労働市場情勢指数(LMCI) → -4.8 ドル/円106.84 ~ 107.66 ユーロ/ドル1.1326 ~ 1.1393 ユーロ/円121.47~ 122.33 NYダウ   +113.27 → 17,920.33ドル GOLD  +4.50  → 1,247.40ドル WTI  +1.07  →  49.69ドル 米10年国債   +0.037 → 1.737% 本日の注目イベント 豪   RBA、キャッシュターゲット 日   5月マネタリーベース 日   4月景気動向指数 中   中国5月外貨準備高 独   独4月鉱工業生産 欧   ユーロ圏1-3月期GDP(確定値) 米   4月消費者信用残高 米   世銀、世界経済見通し公表  注目されたイエレン議長の講演で議長は、今回の雇用者の減少には「失望した」と述べたものの、利上げの時期については言及しませんでした。  前回5月27日の講演では「数カ月内に利上げをするのが適切になるだろう」と述べて、6月か7月のFOMCでの利上げの可能性が急速に高まり、ドル高に振れた経緯があります。  昨日の講演で、この「数カ月内」という文言が外されるのかどうかも一つの注目ポイントでしたが、議長はこの点には触れていません。「雇用統計に失望した」という言葉や、利上げの時期に触れなかったことを考えれば、まず6月の利上げはないものと考えられますが、議長は「中長期的な物価安定と最大限の持続可能は雇用を確保するため、フェデラルファンド(FF)金利は時間をかけて緩やかに上昇しなくてはならないだろうと、私は引き続き考えている」(ブルームバーグ)とも述べており、これまで通り利上げのタイミングを探っていく姿勢は変わっていないとの認識を示しました。  このことから、6月の利上げの可能性はないものの、7月の利上げの可能性までは排除できないとの印象です。今後の経済指標次第であることはもちろんですが、先週末の雇用者数の急激な鈍化で、ドル円が一気に106円台半ばまで急落したのは「行きすぎだった」との見方も出ております。ただ市場は常に「オーバーシュート」するもので、5月3日の105円台半ばまで円高が進んだ状況と似ていなくもありません。  この時は、約1カ月かけて6円の値幅を戻し、111円台半ばまで反発したことは、まだ記憶に新しいところですが、今回はどうでしょう。  イエレン議長が講演で、7月利上げの可能性を全く否定しなかったと同じように、セントルイス連銀のブラード総裁も6日付けのウォールストリート・ジャーナル紙(WJ)とのインタビューで、「7月利上げはあり得る」と述べています。また、23日に行われる英国の国民投票に関しても「結果がどうであれBrexitは米国経済にとってはそれ程問題ではないだろう」(ブルームバーグ)との見方も示しています。  個人的にも7月の利上げの可能性はないとは言えないものの、現時点ではその確率は低いと思っています。先週末の雇用者数の低水準が、一時的なものであり、来月の雇用統計発表時に上方修正され、さらに6月分も20万人近い数字が出れば、再び利上げ観測が高まりますが、今後の指標がますます注目されます。  これまでにも何度か述べているように、FOMC執行部からは早い段階で今年最初の利上げを実施したいという強い意志が感じられますが、肝心の経済指標の方がままなりません。昨日発表された労働市場情勢指数(LMCI)もマイナス4.8で、こちらも今年最も悪い数字でした。FRBの苦悩はまだ続くと思われます。  ドルが買い戻され、株価も反発しました。本日は上値がどこまで伸びるのかに注目しています。「1時間足チャート」から探ると、107円80銭前後から上値がレジスタンスゾーンになろうかと思いますが、下値も106円台ではとりあえずドル買いも出そうです。よって、今日のレンジは107-108円程度を予想します。  (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は107円台で底堅く推移。イエレン議長の講演を受け、株価は反発し長期金利も上昇したことで、ドルが買い戻された。一時は107円66銭まで買われ、この日の高値圏で引ける。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-06-07 09:45