【為替本日の注目点】ドル円105円台に乗せるも上値が重い

英国のEUからの離脱の可能性がやや低下したことや、ドラギ総裁が議会で、国民投票後のいかなる事態にも備えていると発言したことでドル円は一時105円台に乗せる。ユーロドルの反応は限定的。1.13から1.12台前半までユーロ安が進む。
株式市場は3日続伸。イエレン議長の議会証言では国民投票のリスクに対しての言及はあったが、利上げに関する発言はなかった。ダウは24ドル上昇し、リスクオフはやや後退。債券相場は4日続落。5年債入札で需要が低水準だったことで長期債も売られる。長期金利は2週間ぶりに1.7%台まで上昇。ドルが上昇したことで金は19ドル下げる。原油価格も3日ぶりに反落。
ドル/円104.35 ~ 105.06
ユーロ/ドル1.1242 ~ 1.1320
ユーロ/円117.49 ~ 118.25
NYダウ +24.86 → 17,829.73ドル
GOLD -19.60 → 1,272.50ドル
WTI -0.52 → 48.85ドル
米10年国債 +0.017 → 1.706%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏6月消費者信頼感(速報値)
米 5月中古住宅販売件数
米 4月FHFA住宅価格指数
米 イエレン・FRB議長議会証言(下院)
米 パウエル・FRB理事講演
加 カナダ4月小売売上高
昨日の朝方には株価の下落に伴って、ドル円は103円57銭辺りまで下落しましたが、その後はやや反発し、NY市場ではドラギ総裁の発言から、英国の国民投票の結果でも混乱は避けられるとの見方がやや広がり、安心感からドル円は105円台に乗せる場面もありました。引き続き値幅を伴った神経質な動きです。
ドラギ総裁は議会証言で、「英国のEU離脱を問う国民投票後のいかなる緊急事態にも備えている」と発言しています。ただ世界経済は引き続き脆弱な状態で、地政学的展開により、下振れリスクは依然大きいと指摘。そのため、ECBは金融政策で実体経済への効果的な浸透を図り、緩やかながら景気を安定させると述べています。(ブルームバーグ)ドラギ総裁のこの発言で、市場の混乱がある程度鎮静化するとの見方が広がり、円が売られ、株価の上昇につながったと思われます。
一方注目されていたイエレン議長の議会証言では、特に目立った発言はなく市場への影響はありませんでした。金融政策への言及はなかったものの英国の国民投票については、「経済にリスクをもたらしている」とし、「EU離脱となれば極めて大きな影響が及ぶ恐れがある」と語り、「金融政策当局は米経済が改善の明確な兆しをいつ見せるかではなく、見せるかどうかを注意して見守っていると」と述べました。(ブルームバーグ)
言うまでもなく、目先の最大のリスクは明日の英国の国民投票の結果です。国民投票は現地時間夜の10時まで行われ、その後に開票が始まります。日本時間の昼頃には結果が判明するのではないかと見られていますが、僅差が予想され、出口調査の結果もマスメディアからは発表されないことになっているため、日本時間夕方まで結果は分からないのではないかといった見方もあります。そのため、どちらの結果が出ても直後の相場は大きく変動すると見ています。
「離脱か残留か」わかりませんが、ドル円の動きを見ていると、仮に「残留」が決まってドルが買い戻されて上昇したところが「ドルの売り場」と見ている人が多いようです。その水準が108円台なのか、あるいは110円台なのかは分かりませんが、戻り売りを志向する人が多いのは事実のようです。問題は「離脱」が決まった場合です。直近の世論調査が「残留派有利」と伝えているだけに、この場合の反応は相当なものになるだろうと予想されます。
円買いが急速に進み、ドル円は100円を試す動きも想定されます。その際に、政府日銀が介入に踏み切れるかどうかが重要になってきます。昨日配信されたブルームバーグのニュースでは、最も売られる通貨がポンドで、最も買われる通貨が円だとすれば、日銀とBOEで「円売りポンド買い」の協調介入を実施すればいいとの記事もありました。現実的ではないにしろ、その選択肢を完全に排除するわけにもいきません。今回の国民投票はそれほど、非常時で為替市場にとっては「未経験」の出来事だということです。
本日のドル円は104円~105円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
英国のEUからの離脱の可能性がやや低下したことや、ドラギ総裁が議会で、国民投票後のいかなる事態にも備えていると発言したことでドル円は一時105円台に乗せる。ユーロドルの反応は限定的。1.13から1.12台前半までユーロ安が進む。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-06-22 09:45