【為替本日の注目点】英国EU離脱の余波残る

 ドル円は先週末の売られ過ぎの反動もあり底堅い動き。102円台では上値は重いが、株安・債券高の割には堅調に推移し、102円近辺で取引を終える。  ユーロドルは英国のEU離脱の影響が残り上値が重い。一時は1.0971までユーロ安が進む。  株式市場は大幅続落。欧州の混乱が続くとの見方が残り、銀行株を中心に売られる。ダウは260ドル下げ、1万7140ドルと、約3カ月半ぶりの安値を記録。  欧州の混乱を背景に米国債は一段高。長期金利は1.438%台まで低下し、約4年ぶりの低水準。  金は続伸し1340ドル台まで買われたが引けは1324ドル台に。原油は続落し46ドル台まで売られる。 ドル/円101.50 ~ 102.13 ユーロ/ドル1.0971 ~ 1.1044 ユーロ/円111.36 ~ 112.57 NYダウ -260.51 → 17,140.24ドル GOLD  +2.36  → 1,324.70ドル WTI -1.31  →  46.33ドル 米10年国債 -0.122 → 1.438% 本日の注目イベント 欧   EU首脳会議 米   1-3月GDP(確定値) 米   4月ケースシラー住宅価格指数 米   6月消費者信頼感指数 米   6月リッチモンド連銀製造業指数  先週末の英国のEU離脱の影響が残り、欧米の株式市場は大幅に続落。一方安全資産の債券には一段と資金が集まり、米10年債は1.43%台まで利回りが低下し、過去最低水準を記録した2012年7月の1.379%も視野に入って来ました。さらに金も買われ、こちらは1340ドル台まで上昇するなど、英国のEU離脱の余波で、リスクオフが加速し、投資家は出きるだけリスクの低い市場へと資金を移し変えている状況です。  こうなると安全通貨の円やスイスフランが買われますが、円は先週末に急騰を見せたこともあり、昨日はそれ程円買いは進んでいません。106円台から一気に99円前後まで急騰したことで、政府日銀も介入の準備に入っているのではないかといった見方もあり、日銀も臨時の金融会合を召集して対策を講じるのではないかといった観測もあります。  そのため再びドル円が100円を割り込んだら何らかの動きがあるのではないかと、市場には警戒感も広がっているようです。ただ100円を割り込んだら直ぐに介入に踏み切るとも思えず、100円からさらに急速に円高が進んだ場合にはありえるのではないかと思います。  昨日は大幅に売られた日本株が反発しましたが、これは世界の主要市場の中でも最も下落率が大きく、火元である英国の2倍ほど売り込まれたことを考えれば買い戻しが先行しただけでしょう。欧米株が大幅に続落した後の、本日の動きを確認する必要があります。シカゴの先物を見る限り、200円程度の下落が予想されますが、ドル円がどこまで粘り腰を見せるかにも影響されそうです。  英国のEU離脱の余波は英国内でもまだくすぶっています。2回目の国民投票をすべきだとの意見もありますが、これに対してキャメロン首相は、国民投票のやり直しを求める声をはねつけています。僅差であったとはいえ、国民が判断を下した結果に従うという姿勢を表明しており、オズボーン財務相も、英国は経済への打撃に立ち向かう決意をすべきだと語っています。(ブルームバーグ)  英国が今後経済的な困難に向うことは想像に難くなく、特にGDPの1割を稼ぎ出す金融業での影響が大きいと思われます。今朝の経済紙も米大手ゴールドマンが英拠点の移転も選択肢の一つと考えているとし、モルガンスタンレーも人員削減の準備を始めたと報道しています。  仮に米大手がそのような行動に出れば、日本の大手金融機関も当然同じような判断をすると思われ、金融の中心地シティーの優位性が危ぶまれます。金融業界は人の移動も盛んで一般的に考えられる以上に、横のつながりも強く、情報も共有されています。米大手の金融機関が移動を開始したら、加速度的に拠点の移動が始まることも予想されます。  本日も欧州からの情報にミミを傾けることになります。米国の1-3月期GDP確報値が発表になりますが、大きな材料にはなりにくいと思います。レンジは101円~102円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は先週末の売られ過ぎの反動もあり底堅い動き。102円台では上値は重いが、株安・債券高の割には堅調に推移し、102円近辺で取引を終える。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-06-28 09:30