【為替本日の注目点】ドル円102円台後半まで反発

 東京市場で予想外の株高が進んだことからドル円は上値を切り上げ102円台に。NYでは金利高や株高も加わり102円89銭まで上昇。短期筋の買い戻しが中心でこのままドルが上昇しつづけるかは不透明。ユーロドルはドル高の流れにやや反落。1.1030まで売られ、ユーロ円は113円台後半まで反発。  株式市場は続伸。アジアや欧州の株価の上昇を受けて引き続き買い物を集める。ダウは80ドル上昇し、年初来高値を更新。S&P500は過去最高値を更新。債券相場は反落。株価の続伸を背景に利益確定の売りが優った。長期金利は約1週間ぶりに1.43%台まで上昇。ドル高から金は3日続落。原油価格も44ドルまで売られる。 6月労働市場情勢指数(LMCI) → -1.9 ドル/円102.38 ~ 102.89 ユーロ/ドル1.1030 ~ 1.1075 ユーロ/円113.07 ~ 113.77 NYダウ +80.19 → 18,226.93ドル GOLD  -1.80  → 1,356.60ドル WTI -0.65  →  44.76ドル 米10年国債 +0.072 → 1.430% 本日の注目イベント 米   6月労働市場情勢指数(LMCI) 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演 加   カナダ6月住宅着工件数  昨日の東京市場では株価の上昇が切れ目もなく続き、日経平均は一時先週末より700円を超える上昇を見せる場面もありました。先週末の雇用統計で、雇用者数の鈍化に一応歯止めが掛かったことで、NY株が大幅に上昇。加えて、参院選では予想通り自公の圧勝に終り、経済対策への期待が込められていました。  それでも朝方のドル円は、早朝に100円30銭を付けるなど、円の先高観が先行する形で取引が始まりましたが、この日は完全に株価に引き寄せられるようにドルがゆっくりと上昇して行きました。もっとも、その株価の上昇も先物主導の買い戻しに過ぎず、本格的な反転とは言えません。先物ショートで利益をあげている向きも、さすがに今後発表される経済対策で、株価が上昇するリスクを考えて早めに動いたものと思われます。  ドル円はNYでは103円には届いてはいませんが、それでも1日の上昇スピードとしてはかなり早いものでした。しかも値幅も2円50銭ほど出ており、このところ下落スピードの速さに慣らされてきた個人投資家にとっても、上値のメドを掴むという点で、難しかったかもしれません。しかし、昨日の大幅なドル上昇も、これまでのショートの買い戻しが主体で、100円で底を打ったからドルを買おうというものではありません。株高ドル高はまだ、ポジションの巻き戻しの域を出てはいません。  現在ドル円は1時間足の「雲」を大きく上抜けし、見事な上昇力を見せています。4時間足を見ると、103円前後に「120日線」が来ており、これが目先の抵抗と見られますが、同時に「雲」の中におり、この雲を抜けるには103円30銭辺りをしっかりと抜ける必要があります。さらに言えば、この103円台前半は、6月24日の「Brexit」後の反発の際にも上昇を抑えられた水準でもあり、やはりレジスタンス・レベルとして意識される水準です。  まずはこの水準をしっかりと上抜け出来るかどうかという点がポイントになります。まだドル円の基本的なレンジは100-105円と見ていますが、その中でも下値リスクの方が高いことは先週から繰り返し述べてきたことです。この見方は変わっていませんが、仮に105円を抜けるようだと、「100円は当面ドルの底値の可能性が高い」という見方も浮上します。従って105円を抜けるかどうかも今後の相場展開を予想する上では重要です。ではその可能性はあるのかどうかです。  既に今朝の新聞にも掲載されていますが、アベノミクスの再浮上があるかないかと、今月下旬の日銀会合で追加緩和があるかどうかにかかっています。安倍首相はデフレ脱却に10兆円を超える対策を行うと言明しています。ただ、これだけでは人々のデフレ心理を転換させるには力不足です。ましてや、そのメインの施策が無年金者の救済と、リニア新幹線の開業前倒しでは、どの程度国民の心理を好転させることが出来るのでしょうか。安倍首相は「あらゆる政策を総動員する」と述べています。この中に日銀の追加緩和も想定しているのであれば、上記105円を上抜けすることは可能だと考えています。  今月の米利上げの可能性はほぼありません。だとすると、ドル円反発のきっかけは国内要因に頼らざるを得ません。今月が相場の行方を観る上で極めて重要な月であることは明らかです。本日のドル円レンジは、102円~103円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
東京市場で予想外の株高が進んだことからドル円は上値を切り上げ102円台に。NYでは金利高や株高も加わり102円89銭まで上昇。短期筋の買い戻しが中心でこのままドルが上昇しつづけるかは不透明。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-07-12 10:00