【為替本日の注目点】ドルの底堅さ続く

 ドル円は引き続き堅調に推移。米住宅関連指標が上振れしたことで、106円53銭まで上昇。英国のEU離脱前の水準にほぼ戻った格好に。ドル高からユーロドルも1.100まで下落。1.10から1.11台後半のレンジを抜け切れるかが注目される。株式市場は高安まちまちながら、ダウは25ドル上昇し、これで8営業日続伸。マイクロソフトなどの決算が好感された。債券相場は反発。IMFが世界経済を下方修正したことから債券に資金が向った。10年債利回りは1.55%台に低下。金は小幅に続伸し、原油は続落。 6月住宅着工件数   → 118.9万件 6月建設許可件数   → 115.3万件 ドル/円105.87 ~ 106.53 ユーロ/ドル1.1000 ~ 1.1037 ユーロ/円116.57 ~ 117.43 NYダウ   +25.96 → 18,559.01ドル GOLD  +3.00  → 1,332.30ドル WTI   -0.59  →  44.65ドル 米10年国債  -0.029 → 1.553% 本日の注目イベント 独   独6月生産者物価指数 独   独7月ZEW景況感指数 英   英6月雇用統計 米    新規失業保険申請件数 米     企業決算 → モルガンスタンレー、アメックス、インテル  ドル円は引き続き堅調に推移しています。昨日の東京時間では105円65銭まで売られる場面もありましたが、そこから反発し、NY市場では106円53銭までドル高が進みました。これで、6月24日の「UKショック」から大きく揺れ動いたドル円は、ほぼ元の水準を回復したことになり、ポンド円などのクロス円でも円が売り戻されています。  あの混乱からまもなく1カ月になろうとしていますが、私も含め、為替を専門的に見ている人たちにとっては予想外な展開が続いていると言っていいと思います。ドル円は再び100円を割り込み、その際には下落の勢いが強いことから、政府日銀が市場介入、あるいは政策発動で円高を阻止し、しばらくもみ合ってから底堅さが確認された後、ドルが上昇に転じるのではないかと予想していました。  しかしこの1カ月間、ドル円は雇用統計をきっかけに一度だけ100円を割り込みましたが、それはいわば「追い風参考記録」程度の円高でした。それ以来100円以下の取引はなく、昨日は戻り高値を記録するに至っています。米国では株高が続いており、これがリスクオンの流れを誘導している面はあるとしても、少なくとも1カ月前とはセンチメントが変わってきているように感じます。IMFは19日、世界経済見通しを発表しました。その中で、今年の世界経済の成長が上向くとの見通しを取り下げています。  英国がEUからの離脱を決め、投資家や企業の信頼感が揺らげば打撃はさらに深刻になりかねないと警告しています。(ブルームバーグ)発表によると、今年の世界GDP成長見通しは3.1%と、4月時点の3.2%から引き下げ、2015年と同じ水準としています。その中でも米経済見通しについては、6月時点の予想を据え置き、今年の成長率を2.2%としています。このあたりに足元のドルの底堅さの一因があるのかもしれません。  昨日発表された住宅着工件数もそうでしたが、米景気は思いのほか堅調だという見方がじわじわと広がっている状況です。足元では、「米利上げはあっても、年内1回あるかないか」という見方がメイン・シナリオではありますが、「最低でも1回はある」という見方も増えつつあります。実際、金利先物市場が示唆する年末までの利上げの確率は44%まで上昇しています。  日米欧では米国の景気が頭一つ抜けているという見方は以前から堅持してはいましたが、想定よりも早い段階でその認識が広がりつつあるようです。ただそれでもこのまま110円に向うには材料が足らないと見ています。ドル円を取り巻くリスクは依然として混在しています。中国景気、上値が重くなってきた原油価格、あるいは欧州そのものが抱えるリスクも多いと思います。イタリアの金融機関の不良債権や、テロ、英国が離脱するEU経済などが挙げられます。本日もドル高を好感し、株価も底堅い動きを見せそうです。  予想レンジは105円50銭~106円80銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は引き続き堅調に推移。米住宅関連指標が上振れしたことで、106円53銭まで上昇。英国のEU離脱前の水準にほぼ戻った格好に。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2016-07-20 09:45