日中韓の合弁会社で中国での新事業を展開する国分

日本経営管理教育協会が見る中国 第424回--宮本邦夫(日本経営管理教育協会)  日本を代表する食品卸大手の国分グループは、先ごろ韓国サムスングループの食品子会社サムスンウェルストーリーと中国の金山資本グループ傘下の上海銀龍農業発展と組んで、上海で工場やオフィス向けの給食事業者や外食店に業務用食材を提供する合弁会社シャンハイウェルストーリーを設立した。日中韓で合弁会社を設立するケースは、あまり多くはない。このケースから何を学ぶべきか、以下で考察してみよう。 ■リスクを分散する  独資での進出や、中国企業だけとの合弁会社で事業展開をした場合と比較すると、3国で合弁した場合には、リスクが分散され、たとえ経営に失敗したとしても、損失は少なくてすむ。今回のケースでは、出資比率は、サムスンウェルストーリーが70%、国分が17.5%、上海銀龍農業発展が12.5%となっており、財務面でのリスクも小さいのが特徴である。しかし、こうしたリスクが少ないからといって、安心してはならない。3国の合弁会社の場合、経営方針の違い、コミュニケーションの問題などが予想されるので、これらの課題、問題をどう解決していくのか、その手腕が問われるところである。 ■独自の技術を武器に事業展開を行う  中国では、冷凍食品など低温物流を得意とする企業は少ないのが実情である。国分は、日本国内で低温物流に関するノウハウを持っており、今回の合弁会社でも、この独自の技術を活かすということが最大のポイントである。国分は、すでに中国へは加工食品の分野において進出しており、今後は、野菜や生鮮品も扱えるようになり、中国での事業展開をさらに拡大することが期待できる。この事例から、中小企業は、自社がどのような技術、ノウハウを持っているかをよく検討し、独自性があると判断した場合には、それを武器として積極的に活用することを学ぶべきである。 ■海外に新たな活路を見出す  日本は、今後とも少子高齢化がますます顕著になっていき、食品業界も競争が激化することは明白である。国内の競争が激化すれば、当然のこととして海外に活路を見出していく。国分の今回の合弁会社設立も、従来の中国進出戦略を見直した結果であると推察される。国分の海外売上高比率は1%とごくわずかであるが、これを10%程度まで高めるという目標を掲げている。このことから、海外進出戦略を高めようとしている企業は、海外進出の現状をよく分析して見直しを行い、現状をどのように打破して新しい戦略を策定し実行するかを慎重に考えねばならない。(執筆者:日本経営管理教育協会・宮本邦夫 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(写真は東京・日本橋の国分グループ本部、写真提供:日本経営管理教育協会)
日本を代表する食品卸大手の国分グループは、先ごろ韓国サムスングループの食品子会社サムスンウェルストーリーと中国の金山資本グループ傘下の上海銀龍農業発展と組んで、上海で工場やオフィス向けの給食事業者や外食店に業務用食材を提供する合弁会社シャンハイウェルストーリーを設立した。日中韓で合弁会社を設立するケースは、あまり多くはない。(写真は東京・日本橋の国分グループ本部、写真提供:日本経営管理教育協会)
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2016-08-17 19:00