【為替本日の注目点】ボストン連銀総裁発言からダウ急落

 ドル円は順調に上昇し103円台を回復したが、ボストン連銀総裁の発言に株価が急落したことで102円55銭まで売られる。ユーロドルは反落。1.12台後半から1.12割れまで売られる。株式市場は揃って大幅に下落。ローゼングレンボストン連銀総裁が「緩やかな引き締めが適切」と述べたことでダウは394ドル下落し、2カ月ぶりの安値を記録。  債券相場も急落。利上げ観測の台頭から売り物が優り、長期金利は1.67%台まで上昇。日独の長期金利が上昇したことも売りを誘った。金は続落し、原油も大幅に反落。 ドル/円102.55 ~ 103.06 ユーロ/ドル1.1199 ~ 1.1271 ユーロ/円115.08 ~ 115.95 NYダウ -394.46 → 18,085.45 GOLD  -7.10 → 1,334.50 WTI  -1.74 → 45.88 米10年国債 +0.074 → 1.675% 本日の注目イベント 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演 米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演 米   ブレイナード・FRB理事講演  ドル円は底堅い動きを見せ、一時は103円台を回復する水準まで買われたものの、ボストン連銀総裁の発言で、NY株式市場が大幅な下落を見せたことで102円台半ばまで押し戻されました。ただ、米国債も売られ、長期金利が上昇したことでドルの下落は、株価の下落の割には緩やかだったと言えます。米利上げを巡っては、株価にとっては弱気材料と捉えられる一方、ドル円にとっては好材料と見られ、市場がそのどちらにより強く反応するのかを見る必要があります。  ボストン連銀のローゼングレン総裁は9日、マサチューセッツ州で講演を行い、「緩やかなペースで緩和解除を続けなければ、この回復局面は長くなるより、むしろ短くなる可能性がある」と述べ、利上げを長く待ち続けると、米経済が過熱する恐れがあると警鐘をならしたかたちになりました。  この発言をきっかけに株価が大きく売りこまれ、長期金利も急上昇しました。発言内容からすれば、それ程相場を大きく動かすものではなかったと思えますが同総裁はもともと「ハト派」と見られていたことが、相場の振幅を大きくしたものと思われます。またNY市場はシステム売買が盛んで、ある一定の値幅を超えると、さらに同じ方向に売り買いが出る傾向があります。今回のNYダウの400ドルに迫る下落も、「売りが売りを呼ぶ」展開だったようです。6月24日のイギリスがEUからの離脱を決めた日のドル円や、ポンド円の急落も同じような動きだったと理解できます。  これまでも何度か指摘したように、市場は20-21日のFOMCで「白黒」がはっきりするまではこのような神経質な動きが予想されます。ただ冷静に考えれば、これまでの一連の連銀総裁や、イエレン議長、あるいはフィッシャー副議長の「タカ派的」な発言は、極端に悲観的だった市場の利上げに対する見方を、「修正」するという意味合いだったと考えられます。  従って、もともと9月利上げはないという前提に立てば、12月利上げへの地ならしと考えることができるのではないかと思われます。「年内利上げはない」といった見方に警鐘を与えた程度と考えれば、FRBが通常の金融スタンスに戻っていることを市場に再認識させたとも言えます。  週明けの今日も、まず日本株は売りから始まりそうです。為替がそれ程円高に傾いていないことから、下値は限られると思われ、日経平均株価の大幅下落がなければ、米金利の上昇がドル円をサポートしそうです。それでも日経平均株価が400―500円下げるようなことになると、102円を割り込むことも予想されます。株価をにらみながらの展開でしょう。  レンジは101円80銭~102円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は順調に上昇し103円台を回復したが、ボストン連銀総裁の発言に株価が急落したことで102円55銭まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-09-12 09:30