8月の主要経済指標が好転した中国、依然として実態経済は脆弱=大和総研

「8月の中国経済指標は好転したが、実質可処分所得の鈍化が続いているため、持続性には疑問符が付く」――大和総研経済調査部の主席研究員、齋藤尚登氏は9月20日に「中国:景気減速局面の小休止」と題したレポート(全9ページ)を発表し、8月の主要経済指標の好転にも安心はできないという見方を示した。レポートの要旨は以下のとおり。
◆2016年8月の主要経済統計は、前月から改善したものが多い。こうした改善・回復は短期的なものなのか、それとも持続が期待できるのか? 固定資産投資と消費については、持続性に疑問符が付く。景気減速局面の小休止といったところが妥当ではないか。
◆2016年1月~8月の固定資産投資は前年同期比8.1%増と、1月~7月(同8.1%増)から横這いであった。ただし、単月のデータを見ると、8月は前年同月比8.2%増と7月の同3.9%増から回復した。固定資産投資はインフラ投資への依存を過度なほどまでに高めている。今後、短期的にはともかく、インフラ投資だけで全体を支え続けることは難しい。
◆2016年8月の実質小売売上は前年同月比10.2%増と7月の同9.8%増から伸びがやや高まった。年末に向けて実質小売売上の加速要因は少なくない。具体的には、豚肉価格沈静化による物価低下が実質消費の加速をサポートすることに加え、(1)急成長するネット販売が11月11日の独身者の日をはじめ11月~12月に安売り攻勢を仕掛けること、(2)排気量1.6L以下の乗用車の車両購入税の半減措置(価格の10%⇒5%)が今年12月末に終了するため、その駆け込み需要が高まること、などがある。ただし、(1)や(2)は需要の先食いの面がある。より注意しなければならないのは、実質可処分所得の鈍化が続いていることである。こうした状況の中では実質消費が加速していくのは難しい。(情報提供:大和総研、編集担当:徳永浩)(写真は中国・大連のショッピングモール、写真提供:(C)Tanawat Pontchour/123RF)
大和総研経済調査部の主席研究員、齋藤尚登氏は9月20日に「中国:景気減速局面の小休止」と題したレポート(全9ページ)を発表し、8月の主要経済指標の好転にも安心はできないという見方を示した。(写真は中国・大連のショッピングモール、写真提供:(C)Tanawat Pontchour/123RF)
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2016-09-21 20:15