ドイツ銀行危機で世界株暴落の噂は本当か? =為替王

ドイツ銀行の破綻危機で、リーマンショック級の世界恐慌や株暴落が起きるとの噂が一部で流れているようです。この真相についてQ&A形式で解説いたします。
Q: ドイツ銀行の破綻危機で、リーマンショック級の世界恐慌、株大暴落が起きるって本当ですか?
A: 世界の株が暴落するかどうかは別として、まず、ドイツ銀行が厳しい状況に追い込まれていることは確かです。
Q: ドイツ銀行は、どんな状態なのですか?
A: ドイツ銀行の株価は、昨年夏頃までは、だいたい株価は30ユーロ前後の水準でしたが、この1年間は下げがきつく、先月は一時9ユーロ台に突入する場面もありました(※現在11ユーロ台)。株価は、年始と比べてもほぼ半値、昨年高値と比べれば約3分の1に下落しています。あのリーマンショック後の安値さえも下回っている状態です。
Q: ドイツ銀行は、なぜ株価が暴落して、危機的状況になっているのですか?
A: リーマンショック前のことが問題視されています。当時、金融機関が、ハイリスクの金融商品を強引に販売していたケースがあり、それがリーマンショックの要因のひとつだったのですが、アメリカの銀行はすでに罰金を支払うなど処分が済んでいます。ところが、今になってドイツ銀行はアメリカ当局(米司法省)から巨額の賠償支払いを要求されました。
Q: それでどうなったのですか? ドイツ銀行は賠償金を支払って、お金がなくなったのですか?
A: いいえ、当初の要求額は、とても払いきれるものではないので、支払っていません。もしも、本当に、それほど巨額の負担を背負わされると、ドイツ銀行が破綻するおそれがありますから、株価が暴落していたというわけです。
Q: 実際、どうなるのですか? 負担を背負わされるのですか?
A: 先月末には、当初の要求額の半分以下の賠償金で、合意しそうだとの報道があったため、世界の株価が急反発して、日本株も週明けは大幅上昇しました。
Q: なぜ、ドイツ銀行の問題で、世界の株価が左右されるのですか?
A: たとえば日本の最大手の三菱東京UFJ銀行が突然破綻するケースを想像してみてください。取引先が連鎖破綻して、金融ショックが起きることが想定されます。ドイツはEU(欧州連合)の中心国ですから、ドイツ銀行が破綻すれば、ドイツ国内の混乱にとどまらず、欧州全域に被害が拡大するおそれがありますし、そうなれば、日米など世界的に負の連鎖が広まる可能性が高いです。
Q: これから、世界恐慌、株の大暴落が起きる可能性が高いということですか?
A: 「ドイツ銀行が破綻」すれば、その可能性がありますが、現状、そう決まったわけではありませんし、先月末も、賠償金が当初想定よりだいぶ少なくて済むとの報道もありましたから、過剰に恐れる必要もないかもしれません。
Q: ドイツ政府は、ドイツ銀行を救済しないのですか?
A: そこがポイントです。ドイツ銀行が賠償金を背負わされても、ドイツ政府が救済に乗り出せば、危機を最小限にとどめて乗り越えらえると考えられます。ただ、ドイツのメルケル首相は、ドイツ銀行への公的支援に否定的との情報もあり、少なくとも、ドイツ銀行と米司法省とのやり取りに、関与しようとしていないことから、見捨てるのではないかとの思惑も、今回のドイツ銀行株大幅安の要因のひとつとなっています。
Q: この先、ドイツ銀行問題は、どうなるのでしょうか?
A: アメリカ当局(米司法省)も、賠償金を当初要求額より減額するなど妥協する可能性はありますが、何もなし(賠償金なし)ということは考えにくいです。そうなりますと、ドイツ銀行は破綻を免れたとしても、ドイツおよび欧州経済の重苦しい経済状況が長期化して、世界に悪影響が及ぶシナリオも考えられます。
Q: ズバリ、リーマンショックのようにドイツ銀行ショックが起きて、世界の株価の大暴落は起きますか?
A: 「大暴落」とか「大恐慌」はないと思いますが、上述のように重苦しい経済状況が長期化するであろうことを見越して、投資家が株売りを急ぎますと、欧州、米国、日本などの主要国で、ちょっとした株価急落が起きる可能性は十分考えられると思います。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
ドイツ銀行の破綻危機で、リーマンショック級の世界恐慌や株暴落が起きるとの噂が一部で流れているようです。この真相についてQ&A形式で解説いたします。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-10-05 09:15