アメリカ大統領選、クリントン勝利なら不況? =為替王

 アメリカの大統領選挙は2016年、11月8日に予定されています。クリントン氏が大統領になったら? トランプ氏が大統領になったら? アメリカ経済、株価はどう動くのか? 予測してみましょう。 ◆クリントン氏が大統領になったら?  「トランプ氏が大統領にならなくて良かった」との安堵感から、金融市場において、短期的には好材料として受け止められると思われます。しかし、長期的には心配される点も多いです。そのひとつは、オバマ大統領(民主党)が推進してきたTPP(アメリカや日本を含む環太平洋諸国の経済協定)。クリントン氏(民主党)も、賛成していたはずですが、今回の大統領選挙期間中に、急に「TPP反対」と言い出し始めました。  「TPP賛成」だったクリントン氏が、なぜ急に「TPP反対」に変節したのか? 民主党の候補者選びで戦った相手のサンダース氏がTPP反対派で、彼を、候補者争いから撤退させ、自分の支持にまわらせるのと引き換えに、彼の主張を取り入れました。TPPの良し悪しは別として、重要な経済政策について、自分が大統領になりたいがために、正反対の主張にコロッと寝返りするような人物が、世界一の経済超大国のかじ取りがうまくできるかといえば、おそらく無理でしょう。  TPPは別にしても、問題なのは、クリントン氏が、あまりにもサンダース氏の左派的な経済政策を取り入れてしまったことです。サンダース氏(75歳)は、「民主社会主義者」を自認しており、時に、「共産主義者」ではないかと疑われるほど、左寄りの人物。クリントン氏は、「TPP反対」のほか、「課税強化(所得増税)」、「社会保障拡大(個人へのバラマキ)」、「インフラ投資(企業へのバラマキ)」など、サンダース氏が主張してきた、左派色の強い経済政策を、ことごとく取り入れて、それを自らの大統領選挙の公約として主張するようになりました。  開拓者精神で、創造的に発展してきたアメリカ経済ですが、大変な曲がり角を迎えている可能性があります。日本がかつて、左派色の強い民主党政権下で、未曽有の大不況に陥り、株価は底なしで下がり、経済は悪化し、国民は苦しめられました。アメリカで、クリントン大統領が誕生したら、日本が経験したような株安、大不況に、アメリカが今後4年間苦しむ可能性も決して否定できません。 ◆トランプ氏が大統領になったら?  現在、可能性は低いと思われますが、もし万が一、トランプ氏が大統領になったら? まともな経済政策も主張しているのですが、経済以外のところで、あまりにもひどい発言も目立つため、当初は、不安感から、金融市場には悪影響が及ぶことが考えられます。トランプ氏の主張する減税政策などは、当然ながら、景気にはプラス、株価にもプラス。トランプ氏は実業家として成功したり、失敗を乗り越えてきた実績があるだけに、経済的なセンスは間違いなくあると思われ、その点も、長期的にはプラス要因になるでしょう。  しかしながら、外交面など、あまりにも非現実的な主張を、大統領になってからも、本当に主張し続けるならば、プラス要因を打ち消すには十分ですから、トランプ氏が大統領になったら、短期的には相場は荒れつつも、長期的には中立ではないかと見ています。 ◆まとめ  大統領選挙がこのままの流れならば、クリントン新大統領が誕生する確率が高いです。短期的には安堵感から、好材料視されると思われますが、長期的にはアメリカ経済はとても心配です。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
アメリカの大統領選挙は2016年、11月8日に予定されています。クリントン氏が大統領になったら? トランプ氏が大統領になったら? アメリカ経済、株価はどう動くのか? 予測してみましょう。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-10-19 08:15