3四半期連続で6.7%成長の中国、当面は大きく落ち込む懸念は小さい=大和総研

 中国の景気は底堅く推移し、今後も大幅な減速はないだろう――。大和総研経済調査部主席研究員の齋藤尚登氏は10月20日、「中国:薄日の後は曇り。大雨にはならない」と題したレポート(全9ページ)を発表し、当面の中国経済を、「景気は短期的な下げ止まりの後も大きく落ち込むことはあるまい」と見通した。レポートの要旨は以下のとおり。 ◆2016年7月~9月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.7%と、3四半期連続で同じ成長率となった。景気は底堅く推移している。 ◆2016年1月~9月の実質小売売上は前年同期比9.8%増と、1月~6月の同9.7%増から伸びが僅かに高まるなど比較的堅調であった。ただし、2016年12月末に終了予定の車両購入税半減措置による駆け込み需要が発生しており、消費堅調には需要の先食いの面がある。年明け後、その反動に要注意であろう。 ◆2016年1月~9月の固定資産投資は前年同期比8.2%増と、1月~6月の同9.0%増から一段と減速した。ただし、月次統計では7月の前年同月比3.9%増をボトムに、8月は同8.2%増、9月は同9.0%増へ回復している。今後、注目されるのは、不動産開発投資の行方である。住宅販売の繁忙期である10月の国慶節前後に住宅価格抑制策を発表する都市が急増しており、中国政府は価格抑制への取り組みを本格化させている。住宅価格はそう遠くない時期にピークアウトし、不動産開発投資のモメンタムは低下していく可能性が高い。 ◆9月の輸出(米ドル建て)は前年同月比10.0%減と7ヵ月ぶりに2ケタのマイナスとなった。景気悪化を懸念する向きもあったが、そもそも輸出入は月毎の振れが大きく、単月の統計に一喜一憂する必要はあまりない。四半期統計を見ると、輸出は2016年1月~3月をボトムに改善傾向にある。今後、先進国景気は緩やかながらも回復すると期待され、中国の輸出改善を後押ししよう。 ◆中国の景気は短期的には消費を中心に明るさを増そうが、それは需要の先食いであったり、季節要因であったりで、持続性を欠く。固定資産投資では不動産開発投資のモメンタムは低下に向かおう。ただし、内需の減速を外需がある程度補うことは可能で、景気は短期的な下げ止まりの後も大きく落ち込むことはあるまい。(情報提供:大和総研、編集担当:徳永浩)(写真は深センのショッピングモール、写真提供:(C)TEA/123RF)
中国の景気は底堅く推移し、今後も大幅な減速はないだろう――。大和総研経済調査部主席研究員の齋藤尚登氏は10月20日、「中国:薄日の後は曇り。大雨にはならない」と題したレポート(全9ページ)を発表した。(写真は深センのショッピングモール、写真提供:(C)TEA/123RF)
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2016-10-21 08:30