米大統領選挙後、大きく相場が動き出しますか? =為替王

11月8日のアメリカ大統領選挙のゆくえ、為替と株式相場への影響と見通し、トレード戦略について。
■クリントン氏が勝利したら?
クリントン氏が勝利したら、これまでの流れ、すなわちアメリカの景気回復、拡大の流れが続き、 年内の利上げの可能性がさらに強まるだろうとの思惑から、為替は円安(ドル高)へ。株価は上昇する可能性が高いと思われます。ただ、それは短期的な観点および、「多くの人がそう思っている」というだけであって、私の見方は反対です。クリントン氏の経済政策は、かなり左派色の強い内容となっており、長期的にはアメリカ経済の足を引っ張る可能性が高いです。よって、もしクリントン大統領が誕生すれば、少なくとも任期4年間は、アメリカ経済が伸び悩んだり、不況に転落するなどして、株価は重たく、どちらかというと下落しやすい傾向が強まると予想しています。
■トランプ氏が勝利したら?
トランプ氏が勝利したら、短期的には、世界的に(おそらくアメリカ国内でも)困惑と混乱が生じ、彼が主張してきてたいくつかの非現実的なアイデアが、どこまで現実路線に修正されるのか見極められるまでは、アメリカ株も米ドルも下落圧力がかかりやすくなると思われます。しかしながら、経済面では、まともな政策(経済理論上、景気下支えに有効だと考えられる政策など)も主張しているので、トランプ氏当選で、仮に、一時的に株価が下落することがあっても、長期的に値下がりし続けるシナリオはあまり考えにくいです。
■短期トレード戦略アイデアは?
基本戦略は、逆張り。クリントン氏勝利で、株価やドル円が急上昇すれば売り。トランプ氏勝利で、株価やドル円が急落すれば買い。今年6月のイギリスEU離脱時もそうでしたが、海外ではそれほどでもないのに、日本国内で異様なほど過剰反応が起きて、日本の株価や日本時間の為替が、過度に値動きするシナリオはあり得ると考えられます。しかしながら、冷静に考えて、どちらが大統領になるか決まった時点では、長期的な方向性について明確な判断がつくわけでもありませんし、一方的に決め打ちするのもナンセンスです。よって、短期的な過剰反応については、逆張りで攻めるのが得策と考えられます。
■為替相場の上値メド、下値メドは?
大統領選挙の結果がどちらであっても、アメリカ経済に勢いがついて、来年、何度も利上げできるような状況になるシナリオは考えにくいです。どちらが大統領になっても、来年も、今年と同じように、あまり利上げできない状況が続くであろうことを前提にしますと、仮に、選挙後に米ドル円が急上昇したとしても、ここから本格的に円安(ドル高)局面に転換することは期待しにくいです。円安になった場合でも、具体的には106円~107円あたりがいっぱいではないかと見ています。逆に、ショックを受けるような結果になって、円高が進んだ場合、今年これまでの安値圏、すなわち100円近くが下値メドになりやすいと見ています。
■株式市場の上値メド、下値メドは?
これも同じく、どちらが大統領になっても、アメリカ経済がバラ色になる展開はまず考えられません。たとえば、クリントン氏が当選して、安心感から株が買われたとしても、NYダウでいえば、せいぜい、今年これまでの高値圏(1万8千円台)が目先は限界ではないかと見ています。一方、波乱により、株価が急落した場合、目先は、今年6月のイギリスEU離脱ショックによる株安局面に匹敵するような、具体的にはNYダウでいえば1万7千ドル近くが下値メドになると見ています。
■どちらが勝つのか?
現状、世論調査は拮抗しています。トランプ氏が逆転したとの報道もありますが、総合的に見ますと、クリントン氏有利との見方が多勢といってよいかと思います。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
11月8日のアメリカ大統領選挙のゆくえ、為替と株式相場への影響と見通し、トレード戦略について。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-11-03 08:45