トランプ勝利で円安、株高の理由は?=為替王

 「なぜ、トランプ大統領誕生で、急激に円安になっているのでしょうか? 株高もすごいですが?」「トランプショックは何だったんでしょうか?」「日本にとっては今のところ、いい方向で進んでるってことなんでしょうか?」などのご質問がありました。ご質問が多かった点について、解説させていただきます。 ■トランプ大統領なら、為替は100円割れとの噂は何だったのか? トランプ氏は、円安(ドル高)を許容しない主旨の発言をしていましたから、彼が大統領になれば、円高になるだろうと警戒していた人が多かったのは確かです。 ■トランプショックの円高は、なぜ101円で止まったのか? 選挙前から、私のブログでは、トランプ氏勝利のケースでも、円高メドは第一に101円近辺。最大で100円を割れるかどうか。ざっと101円~100円との予想を掲げていました。これはチャート分析により算出した円高メドだったのですが、結果的には、この円高メドで、ほぼピタッと下げ止まって、その後、反発に向かいました。(※開票当日の安値(円高値)は101円。) ■なぜトランプ氏勝利で、円安になっているのか? 最大の理由は、金利。数カ月前に、私のブログで、日米の金利差と為替の関係を解説いたしましたが、簡単に言いますと、(日本がいまの低金利状態で)、 「アメリカの金利が上がると、ドルが上がって円安になる」という法則があります。トランプ氏の勝利が確定した後、アメリカの金利が大幅に上昇しています。これに連動する形で、為替がドル高(円安)に動いています。(※アメリカの政策金利は利上げされておらず、変更はないのですが、それとは別に市場では、株価と同じように、日々、投資家の思惑や予想により債券が取引されて金利が変動しているのですが、その市場金利が急上昇しています。) ■なぜ、アメリカの金利が上がっているのか? トランプ氏は大規模な減税や、インフラ投資拡大を主張してきました。それらの財政政策は、議会で多数派の共和党の主張とも重なりますので(細かい部分は修正されたとしても)、大まかな方針は、実現される可能性が高いと思われます。大規模な「財政政策」が、トランプ政権で実現されるならば、これまで低迷していた金利も、上がっていくとの思惑が広がっています。現状まだ何も決まっていないので、「思惑」や「期待」だけで金利が上がっているのが現状ですが、経済の教科書的には、たしかにトランプ氏の経済政策によって、アメリカの金利が上がる期待があり、そうであるならば、為替もドル高(円安)に動くはずだとの思惑が背景にあります。 ■日本経済への影響は? 日本にとって良いことなのか? 日本経済にとって、一概に、円安が良いとは言えませんが、今年、急速に円高が進んだ状況も望ましいものではありませんでした。なので、多少、円安に戻ったり、急激だった円高局面が収束した今の状況は日本経済全体、および、日本株にとっては好影響が期待できそうです。事実、円安を受けて、日本株が外国株よりも大きく上昇しています。 ■どこまで円安になるのか? 大統領選挙後の円安(ドル高)は、かなりペースが速いです。今週は1ドル=109円に到達しましたが、すでに過熱感があります。もともとチャート分析の観点では107円台後半あたりが円安メドになっていましたので、すでにやや行き過ぎている状況であり、この先、109円台中盤までは短期チャート分析からも最大メドとして浮上しているのですが、さすがに110円を超えるような円安は過熱しすぎであり、ここから上がれば上がるほど反落する可能性も高まると見ています。理由としては、現状、「期待」や「思惑」だけで動いており、トランプ氏の経済政策が確定したわけではありません。思惑だけで過剰に動く相場には注意が必要と思われます。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
「なぜ、トランプ大統領誕生で、急激に円安になっているのでしょうか?株高もすごいですが?」「トランプショックは何だったんでしょうか?」「日本にとっては今のところ、いい方向で進んでるってことなんでしょうか?」(イメージ写真提供:123RF)
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2016-11-16 08:45