【為替本日の注目点】ECB理事会を受けユーロ乱高下

 東京市場で113円13銭まで売られたドル円は、NYでは114円38銭まで買われたが、ユーロの下落に114円近辺まで押し戻されて引ける。ユーロドルは乱高下。ECBがQE縮小を発表すると急騰し、1.08台前半までユーロ買いが進む。その後ドラギ総裁の記者会見を境に急落し1.06前後まで売られ乱高下。  株式市場は続伸。ECBがQEの期間を延長したことが背景。ダウは65ドル上昇し、4日連続で最高値を更新債券相場は反落。資金が債券市場から株式市場にシフトしていることが鮮明に。長期金利は2.40%台まで上昇。金は反落し、原油は3日ぶりに反発。 新規失業保険申請件数 → 25.8万件 ドル/円113.78 ~ 114.38 ユーロ/ドル1.0597 ~ 1.0766 ユーロ/円120.91 ~ 123.35 NYダウ +65.19 → 19,614.81ドル GOLD -5.10 →1,172.40ドル WTI  +1.07 → 50.84 ドル 米10年国債 +0.069 → 2.409% 本日の注目イベント 中   中国 11月消費者物価指数 中   中国 11月生産者物価指数 独   独10月貿易収支 英   英10月貿易収支 米   12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)  ECBは理事会を開き、現在800億ユーロ(約9兆7000億円)の債券購入プログラムを2017年12月まで延長し、月々の購入額を来年4月以降600億ユーロ(約7兆3000億円)に減額することを決めました。市場では期間の延長はあると予想していましたが、減額はややサプライズで、発表直後にユーロドルは1.0873近辺まで急騰。ユーロ安要因が一つ除かれたとの見方がユーロ買いに走らせました。ところがその後は一転してユーロ売りが優勢となり、1.06近辺まで売られる「大相場」(おおそうば)を演じています。同時にユーロ円も123円35銭辺りまで上昇した後、高値から2円以上も下落しています。量的緩和の縮小を決めた後の記者会見で、ドラギ総裁が引き続き量的緩和の堅持を強調したことがユーロ急落の引き金を弾いたものと思われます。  ドラギ総裁は会見で「見通しが悪化、もしくは金融環境がインフレ回復の進展と相いれないものになった場合、プログラムの期間延長や規模拡大を実施する方針だ」と述べ、「ECBの量的緩和はある意味オープンエンド、状況次第だ」と強調しています。昨日は、円は蚊帳の外で、「ユーロの日」でした。  ドル円の動きは「いつもの動き」でした。東京時間には上値の重さから一時113円13銭まで売られましたが、NY市場では恒例の114円台までドルが買われ、114円38銭まで上昇しています。「東京でドルを買って、海外で手放す」というルーティーンワークが依然として機能している状況です。さらに114円30-50銭で折り返してくるところも「恒例」になりつつあります。  前日も同じように、114円41銭まで買われた後、1円ほど下げました。NYダウは300ドル近く上昇したにも関わらず、米長期金利が低下したことから、金利に引っ張られる形でドル安が進んだと説明できますが、昨日はその長期金利も大きく上昇し、さらに株価も続伸する中での下落でした。ちょうど1カ月続いたトランプラリーも、さすがに息切れがしたと見るべきなのか迷う所です。「上値は重いけれども、下がって来ない」相場展開に、ややストレスも溜まる展開です。  驚きを禁じえないのが米国株の上昇です。ダウは昨日も上昇し、これで、4日連続で最高値更新です。まさに「買いが買いを呼ぶ展開」と言えます。この流れに乗り遅れまいとするファンドなどの資金流入が継続的に続いていると見られますが、最初にスタートを切った「早起き鳥」は既に、少しずつ利食いに入っている可能性もあります。ドル円と同じ様に、ここからロングには行けないが、買いたくても買えないという状況でしょう。  ECB理事会も終え、これで残すは13-14日のFOMCのみとなりました。今会合での1年ぶりの利上げは確実視されており、ドル高要因と見られていますが、昨日のECBの政策発表後の動きのように、思わぬ波乱があるかもしれません。相場観を固定するのだけは避けたいと思います。本日の予想レンジも昨日とほぼ同様です。113円50銭~114銭50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
東京市場で113円13銭まで売られたドル円は、NYでは114円38銭まで買われたが、ユーロの下落に114円近辺まで押し戻されて引ける。(イメージ写真提供:123RF)
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2016-12-09 10:30