生化学工業は調整は限定的、好業績評価の流れに変化なく反発のタイミング

  関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業 <4548> の株価は、戻り高値圏でのモミ合いから足元でやや水準を切り下げたが、今期(14年3月期)好業績を評価する流れに変化はなく、反発のタイミングだろう。押し目買いの好機だ。   国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、単回投与の米国向け関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。主力のアルツおよびジェル・ワンの需要は高齢者人口増加などで拡大基調である。   09年3月に策定した「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は専門分野である糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603、アルツの適応症追加SI-657、変形性膝関節症改善剤SI-613、ドライアイ治療剤SI-614、関節リウマチ治療剤SI-615などがある。SI-6603は13年8月に日本の第Ⅲ相試験で良好な結果を得たため、14年3月期中に日本での承認申請を行うメドがついたとしている。   今期の連結業績見通し(11月6日に増額修正)については売上高が前期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が計画より早まったが、米国向けジェル・ワンなど海外医薬品の出荷数量増加と円安メリットに加えて、販管費でのジェル・ワン訴訟費用の減少、営業外での保有外貨建て資産の評価に係る為替差益なども寄与する。   なお、12年8月に当社が勝訴したジェル・ワンの特許侵害訴訟に対して、13年10月にジェンザイム社から連邦巡回区控訴裁判所に控訴の提起があったが、適切な法的手続きを講じ、本控訴提起に伴うジェル・ワン販売への影響はないと想定している。通期見通しに対する第2四半期累計(4月~9月)の進捗率は高水準であり、為替も想定より円安方向に傾いている。償却負担増の影響を考慮しても通期再増額の可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、戻り高値圏1300円~1400円近辺のモミ合い展開からやや水準を切り下げて、12月18日には直近安値となる1227円まで調整する場面があった。利益確定売りが優勢になったようだが、特に悪材料は見当たらず調整は限定的だろう。   12月19日の終値1244円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.2倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。好業績を評価する流れに変化はなく、反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は、戻り高値圏でのモミ合いから足元でやや水準を切り下げたが、今期(14年3月期)好業績を評価する流れに変化はなく、反発のタイミングだろう。押し目買いの好機だ。
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2013-12-20 09:45