東証1部指定替えの日本ドライは新株式発行のボディーブローがなお残り続落

  日本ドライケミカル <1909> は、きょう20日に東証第2部から東証第1部に指定替えされ売買がスタートしたが、前日19日の東証2部終値に対して38円安の2251円と通算して3日続落している。今年11月29日の1部指定替え承認とともに発表した新株式発行(発行価格2250円)・株式売出しを嫌う希薄化懸念のボディーブローが続いて発行価格を確かめる下値調整が続ており、1部指定替えとともに東証株価指数(TOPIX)に算入されTOPIX連動型のファンドの買い需要が発生すると需給好転思惑も空振り、今期純利益の続伸予想にも反応薄となっている。 ■1Q・2Q業績は伸び悩みも3月通期業績は続伸予想   同社の業績は、今3月期第1四半期(1Q)、第2四半期(2Q)は伸び悩みペースで推移したものの、通期業績も順調に推移する見込みで、増配観測もされている。売り上げ301億4300万円(前期比4%増)、経常利益15億5400万円(同1%減)、純利益8億3300万円(同30%増)と予想している。今期第1Q・第2Q累計業績は、前期計上の大型プラント工事の一巡で伸び悩んだものの、3月通期業績は、期初予想通りに消火・防災関連の総合防災企業として社会インフラ構築に貢献、昨年10月に子会社化した沖電気防災がフル寄与するほか、2012年4月から施行された消火器点検基準の法令改正に伴う消火器の買い替え需要が継続、工事原価管理の改善を推進することなどが寄与する。なお今期配当は、70円(前期は1対2の株式分割権利落ち前で140円)を予定しているが、東洋経済会社四季報2015年新春号では70~80円と増配含みと観測されている。 ■上場来高値から株式分割の権利を落としPERは7倍台と下げ過ぎ   株価は、2011年6月に公開価格2040円で再上場されて2222円で初値をつけたあと、前期第3四半期の好決算に株式分割(1対2)、さらに新日本空調<1952>(東1)との資本業務提携も加わり上場来高値5770円まで買い進まれて分割権利を落とし、落ち後安値2050円まで調整した。その後の底上げ場面では、今期第1Q・第2Q累計業績の伸び悩みに上値を抑えられ、東証1部指定替えでもファイナンスによる希薄化懸念で限定的な反応にとどまった。それだけに下値鍛錬は十分で、下値からPER7倍台の下げ過ぎ訂正にトライする展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
日本ドライケミカル<1909>(東1)は、きょう20日に東証第2部から東証第1部に指定替えされ売買がスタートしたが、前日19日の東証2部終値に対して38円安の2251円と通算して3日続落している。
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2013-12-20 10:30