【北京IPO】ノートPC用電子ケーブルユニットの重慶市泓禧科技が15日に公募開始、1600万株発行予定

 北京証券取引所への新規上場を目指している重慶市泓禧科技(871857/北京)が2月15日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1600万株を発行予定で、公募価格は12.00元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2010年設立の民営企業で、17年に株式会社化した。高精度な電子ケーブルユニット、および、小型電気音量装置の設計、研究開発、生産、販売を主業務としている。極細同軸ケーブルユニット、極細テフロンケーブルユニット、小型拡声器などが主要製品で、ノートパソコンを主とするコンシューマー電子製品分野に応用されている。コンパル・エレクトロニクス(仁宝)、インベンテック(英業達)、クアンタ・コンピュータ(広達)、聯宝、ウィストロン(緯創資通)、上海華勤通訊技術といった台湾や中国大陸のOEM/ODM企業を顧客とし、HPやレノボ、デル、ASUS、Acerなどのパソコンに利用されている。売上構成は高精度電子ケーブルユニットが80%強、小型拡声器が20%弱となっている。  世界のノートパソコン市場は2016年から19年にかけて出荷台数が1億6000万台程度で推移してきたが、20年には2億台に達し、21年には2億1600万台まで増加したと予測されている。新型コロナによるリモートワーク、オンライン教育需要の高まり、ゲーミング用、ビジネス用といった細分化されたニーズの発展がノートパソコン市場の動力となっており、既存品の製品寿命到来による置き換え需要も旺盛だ。高解像度ディスプレイや放熱性能の向上、通信技術の進化といった技術革新の要素も多く、ノートパソコン業界は再び活況を呈しつつある。  ノートパソコン1台につき1本の極細同軸ケーブルユニットや極細テフロンケーブルユニット、複数の小型拡声器を必要とすることから、ノートパソコン市場の安定的な発展が、同社の持続的な成長を支えている。同社はサプライチェーンの充実と関連企業との関係強化、研究開発力の向上、製造ラインの自動化推進による市場シェア拡大に取組んでおり、ノートパソコン分野における高精度電子ケーブルユニット出荷市場シェアは約20%となっている。長期的に安定した顧客を持っていること、充実した研究開発能力と生産体制が同社にとっての強みである一方、市場競争が激しくなる中で資金力不足や製品ラインナップの少なさといった課題を抱えている。  また、生産コスト低減のために2018年にミャンマーに子会社を設置し、19年より現地生産を行なっているが、新型コロナの感染拡大に加え、昨年2月からの政情不安により生産リスクが高まっている。  2020年12月期の売上高は4億3550万元(前期比38.67%増)、純利益は3791万元(同32.53%増)。2021年1〜9月期の売上高は3億8949万元(前年同期比18.80%)、純利益は3040万元(同9.72%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への新規上場を目指している重慶市泓禧科技(871857/北京)が2月15日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1600万株を発行予定で、公募価格は12.00元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-13 14:30