【上海IPO】軍備向けステルス材料など製造の陝西華秦科技実業が24日に公募開始、1667万株発行予定

上海証券取引所の科創板への上場を目指す、陝西華秦科技実業(688281/上海)は2月24日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1667万株を発行予定で、公募価格は23日に決定する。公募終了後速やかに上場する見込みだ。
同社は1992年設立の民営企業で、2020年に株式会社化した。ステルス材料、カモフラージュ材料、防護材料などの特殊機能材料の研究開発、生産、販売を主業務としており、製品は飛行機、戦車、艦船、ミサイルなど重要な国防兵器のステルス性能、重要な地上軍事目標のカモフラージュ、各種装備部品の表面保護に用いられている。ステルス材料の主要製品は19年に、カモフラージュ材料の主要製品は20年に量産化を実現し、自社のステルス材料技術エンジニアリング研究センターなどの研究機関にて各種材料の研究開発を進めている。また、西北工業大学と研究や人材育成の協力関係を築いている。売上構成は、ステルス材料が90%前後を占める。
中国では国民経済の急速な発展に伴い、軍需工業の主要な資金源となる国防支出も急速に増加している。2021年の国防支出予算は1兆3795億元で、20年の予算執行額から6.8%増えた。一方で、米国の国防支出に比べるとその額は遥かに少なく、国防支出がGDPに占める割合も主要国に比べると小さい。また、中国共産党は35年までに国防と軍隊の現代化を実現することを目標として掲げており、今後も中国の国防支出は安定的に増加していくことが予想され、先進的な兵器に必須の技術を提供する同社を取り巻く環境も良好と言える。
業界をリードする研究開発能力、高い品質と対応能力、カスタマーサービス力により軍需工業をターゲットに成長してきた一方で、同社は航空、冶金、石油化工、船舶、海洋などの民間用分野の市場開拓を課題としている。また、更に高まる需要に応えるためには、経営規模や生産能力の拡大が不可欠である。さらに、製品価格の変動、国防政策や予算の変化による影響、技術開発に長い時間と大きなコストがかかること、日々激化する人材獲得競争、重要技術の流失などの経営リスクも抱えている。
2021年12月期の売上高は5億1185万元(前期比23.68%増)、純利益は2億3316万元(同50.61%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指す、陝西華秦科技実業(688281/上海)は2月24日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1667万株を発行予定で、公募価格は23日に決定する。公募終了後速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-22 22:30