【香港IPO】がん治療薬開発の楽普生物の初値は公開価格と同値

がん治療薬開発の楽普生物(02157)が2月23日、香港メインボードに新規上場した。公開価格7.13香港ドルに対し、初値は同値の7.13香港ドルだった。高値は7.34香港ドルがあり、終値は7.14香港ドルになった。
同社は、腫瘍治療に焦点を当てたバイオ医薬品会社。8つの薬剤候補のうち、5つは標的療法であり、3つは免疫療法である。3つの免疫療法のうち2つは免疫チェックポイント薬であり、1つは腫瘍溶解性ウイルス薬。現在、28件の臨床試験を開始しており、そのうち3件は登録試験段階に入り、2件は米国で進行中。現在、製品の販売による収入はなく、研究開発費、管理費などによる営業損失を計上している。2019年12月期の損失は5.15億人民元、2020年12月期の損失は6.13億人民元、2021年8月までの8カ月間の損失は6.68億人民元になっている。
公募で調達する見込みの約8.04億香港ドルについては、約68.5%を現在進行中の臨床試験に投入する。6%強を前臨床段階の研究資金に、約16%を新薬候補のパイプライン事業開発活動にあてる計画。
医療関連の新規上場は、18日に上場した清晰医療(01406)に続く上場になったが、清晰医療が眼科の経営で収益の実績がある企業に対し、楽普生物は開発主導型で未だ収益の実績がない会社であり、市場環境が不安定な状況が続く中、厳しい初値状況も予想されたが、公開価格を上回り無難な船出になった。同社の公募開始時の募集レンジは6.87~7.38香港ドルだった。今年に入っての香港IPOでは募集レンジの下限で公開価格が決まって上場に向かう銘柄ばかりが続いたが、同社の公開価格は募集レンジの中間値より上で決定され、上場初値も同値だった。同社の事業への高い期待がうかがえる初値といえる。(イメージ写真提供:123RF)
がん治療薬開発の楽普生物(02157)が2月23日、香港メインボードに新規上場した。公開価格7.13香港ドルに対し、初値は同値の7.13香港ドルだった。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-24 09:00