【為替本日の注目点】米3月の失業率は3.6%に改善

ドル円は雇用統計発表後に123円台まで上昇する場面があったが続かず。その後は122円台半ばから後半でもみ合う。ユーロドルは小幅に下落。1.1028まで売られたが動きは閑散。株式市場は3指数が揃って上昇。良好な雇用統計を受け買われたが、一方で利上げが加速するとの見方もあり上昇は限定的。債券は下落。長期金利は2.38%台へと上昇。金は反落し原油は続落。
3月失業率 → 3.6%
3月非農業部門雇用者数 → 43.1万人
3月平均時給 (前月比) → 0.4%
3月平均時給 (前年比) → 5.6%
3月労働参加率 → 62.4%
3月ISM製造業景況指数 → 57.1
3月マークイット製造業PMI(改定値) → 58.8
3月自動車販売台数 → 1333万台
ドル/円 122.46 ~ 123.03
ユーロ/ドル 1.1028 ~ 1.1059
ユーロ/円 135.14 ~ 135.88
NYダウ +139.92 → 34,818.27ドル
GOLD ―30.30 → 1,923.70ドル
WTI ―1.01 → 99.27ドル
米10年国債 +0.044 → 2.382%
【本日の注目イベント】
独 2月貿易収支
トルコ 3月消費者物価指数
英 ベイリー・BOE総裁講演
米 2月製造業受注
加 2月住宅建設許可件数
3月の米雇用統計はまずまずの結果でした。非農業部門雇用者数は市場予想を若干下回る「43.1万人」でしたが、2月分が「67.8万人」から「75万人」に上方修正され、1月分についても「48.1万人」から「50.4万人」に上方修正され、労働市場は引き続き回復基調にあることが判明しています。また失業率も予想より改善しており、「3.6%」でした。コロナウイルスのパンデミック前の2020年2月の水準にも、もう一息といった水準です。総体的に見れば今回の雇用統計の結果は、次回5月のFOMCで利上げ幅を0.5ポイントに拡大すべきだと主張するタカ派にとっては有利な内容だったと言えます。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、「今から次回の会合までにネガティブサプライズがないとすれば、0.5ポイントの論拠は強まっている」と指摘し、「そうした早期の調整を行うのが適切になるとの確信を私は強めている」と述べています。一方で雇用統計の結果を受けてもなお慎重な見方をしたのが、NY連銀のウイリアムズ総裁です。同総裁はプリンストン大学での講演で、「金利をもっと正常ないし中立的な水準に引き上げなければならないのは明らかだが、直ちにそこに到達する必要があるかと問えば、答えはノーだ。それは一連のステップを通じて実行可能だ」と語っています。(ブルームバーグ)ウイリアムズ総裁は早急な上げ幅の拡大には慎重な姿勢を見せましたが、足元の高インフレは終息のメドがたっておらず、大手米銀は次回から2会合連続で0.5ポイントの利上げを予想し、最もタカ派のシティーグループは3会合連続で0.5ポイントの利上げを予想しています。個人的には、次回会合での0.5ポイントの利上げは不可避と考えますが、原油価格はやや落ち着きを見せていることから、次回会合でのパウエル議長の発言が多いに注目されます。また同時に、前回会合で多くのメンバーが早急な利上げが適切へと大きくシフトしたこともあり、今週6日(水)に公開される前回会合のFOMC議事録の内容も注目しておきたいと思います。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問は、キーウ(キエフ)近郊のブチャからロシア軍が撤退後、両手を縛られて同国軍に射殺された複数の民間人の遺体が路上に残されているのが見つかったとツイッターで投稿し、証拠収集を国際刑事裁判所(ICC)に求めています。フランスのマクロン大統領は「この映像は耐え難い」とのコメントを発表していますが、ロシア側は、画像の多くは捏造されていると反論しています。この週末も引き続きロシアの戦争に関する報道が多くありましたが、中に、プーチン氏は5月9日に開催されるナチスに勝利した記念日にあたるこの日に、「勝利宣言」を行うのではないかとの専門家の予想がありました。この予想が的を得ているとすれば、その日まであと1カ月余りです。1日あたり莫大な戦費が浪費されていることもあり、ロシアは総攻撃を仕掛けてくるのもしれません。米国とEUはロシアに対してさらなる制裁の強化を考えているようです。通貨ルーブルの下落によるインフレと、多くの外国資本がロシアからの撤退を決めたことに伴う失業者の増大、さらには輸入品の大幅な減少など、ロシア国民にとってはこれからが「臥薪嘗胆」の時期です。これらの動きが大きな反戦運動の波につながればと期待していますが、どうでしょう。
本日のドル円は122円~123円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は雇用統計発表後に123円台まで上昇する場面があったが続かず。その後は122円台半ばから後半でもみ合う。ユーロドルは小幅に下落。1.1028まで売られたが動きは閑散。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-04-04 10:15