金陽新能源科技、22年1〜6月期は新事業の太陽光用単結晶シリコンウエハー好調も17%の減収

 太陽光発電用シリコン製品などを生産する金陽新能源科技(01121/香港)が10月6日、2022年1〜6月期の中間決算を発表した。前年同期に比べ約17%の減収となったほか、赤字が大幅に拡大した。  同社は1989年に世界の製靴企業のOEM生産を行う企業として設立、2011年に香港メインボードに上場した。15年には買収によりグラフェン製品事業を取得、空気清浄機やエアコンに用いるグラフェン消臭、殺菌製品を開発、21年には単結晶シリコンウエハーの製造事業に着手した。  22年1〜6月期の売上高は1億3409万人民元で、前年同期の1億6182万元から17.1%減少した。売上の主力部分であるスリッパ、サンダルなどのOEM事業では、21年1〜6期に新型コロナの感染拡大に伴い各メーカーが原料調達先を東南アジアから中国国内に変更したことで1億5729万元に達した売上が、22年に入って感染拡大の落ち着きから東南アジアへに調達先が回帰したことで9281万元と前年同期比41.0%減少したことが大きく響いた。一方で、グラフェン製品は前年同期の331万元から約2.8倍の919万元にまで増えたほか、21年より製造が始まった太陽光発電用単結晶シリコンウエハーの製造が22年に入って本格化し、売上が52万元から3175万元と約60倍に増えたことで、OEM事業による売上減をある程度カバーした。  当期の純損益は、前年同期の383万元の赤字から1億447万元の赤字と赤字額が27.2倍に膨らんだ。前年同期に27.4%だった売上総利益率が、米国内のインフレや消費者ニーズ低迷に伴う業界内の価格競争激化などの影響によって1.1%にまで大きく減少したこと、研究開発費が前年同期より約1000万元増えたことなどが要因となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
太陽光発電用シリコン製品などを生産する金陽新能源科技(01121/香港)が10月6日、2022年1〜6月期の中間決算を発表した。前年同期に比べ約17%の減収となったほか、赤字が大幅に拡大した。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-10-08 20:15