【為替本日の注目点】ドル円続落し138円ぎりぎりまで売られる

ドル円は続落。米国が感謝祭の祝日だったものの、欧州市場で138円07銭前後までドル売りが進む。欧州株も堅調でリスクオンの流れが継続。ユーロドルは小幅に続伸し1.0429まで上昇。独ifo景況感が改善していたことも好材料に。
ドル/円 138.07 ~ 139.23
ユーロ/ドル 1.0382 ~ 1.0429
ユーロ/円 143.64 ~ 144.88
NYダウ → 34,194.06ドル
GOLD +5.57 → 1,755.25ドル
WTI +0.02 → 77.96ドル
米10年国債 → 3.693%
【本日の注目イベント】
日 11月東京都区部消費者物価指数
独 12月GFK消費者信頼調査
独 7-9月期GDP(改定値)
米 株式市場は午後1時まで。債券市場は午後2時までの短縮取引(いずれも米東部時間)
米 ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)
米国は感謝祭の祝日で、NYでは恒例のパレードに多くの人が詰めかけたとの報道です。感謝祭が終わり、いよいよ本日は「ブラックフライデー」で、年末商戦の始まりです。米国人の多くは年間の支出額の多くをこの期間に使うとも言われ、GDPの70%を占める個人消費の行方が、今後のFRBの金融政策判断の一つになるかもしれません。今年はその行方に注目したいと思います。百貨店大手の「メイシーズ」ではすでに「Black Friday Special Price」と記して、セールを開始しているようです。米国の子供達にとっては、これからクリスマスに向かうこの時期が、1年で最もわくわくする時期なのでしょう。一方、アマゾンでは倉庫で働く従業員らが25日の「ブラックフライデー」に合わせ、世界約40カ国で抗議行動やデモ行進に参加する予定になっています。
ドル円は昨日の東京市場朝方には139円台を割り込み、その後値を戻す場面もありましたが、欧州市場では大きくドルが売られ138円07銭前後までドル売りが進みました。およそ10日ぶりの138円台前半までの下げです。12月のFOMC会合では0.5ポイントの利上げが有力とみていますが、これはこれまでの予想と同じで、一時0.75ポイントまで上昇した見方が元へ戻っただけです。それでもドル円は徐々に上値を重くしており、今週何度か触れていますが、日足の一目均衡表で「雲を下抜け」したことが影響している部分もあろうかと思います。昨日のブルームバーグのニュース配信の中でも、このことに触れているものもありました。
センチメント的にも「ドルの戻りを売る」といったスタンスが強まってきたとみていますが、主にヘッジファンドなどの投機筋が利用しているシカゴ先物市場(CBOT)では、主要通貨のポジションを見ると、円を除く主要通貨ではすでに「ドルショート」が形成されておりこの先のドル安を想定したポジションメイクを行っていることが見て取れます。円に対するポジションではまだ「ドルロング」の様ですが、その枚数は確実に減少しています。また、原油価格が下落しており、これもドル売りにつながりやすいでしょう。原油の輸入量は変わらなくても、価格の低下により、輸入額の減少が貿易赤字の減少に寄与することになります。ただ、まだこのままドルがさらに下落するかどうかは不透明です。来週の雇用統計や11月の消費者物価指数(CPI)が上振れすれば、この雰囲気が一気に変わる可能性もあります。目先の下値のメドは先週15日に記録した137円68銭前後かと思います。そのレベルがブレイクされた場合、やはり次は、135円という大台が視野に入ってきそうです。
中国の新型コロナ感染が急拡大しています。23日には新規感染者が2万9754人となり、日次ベースでは過去最多となってきました。日本での感染者数に比べればまだ驚くほどのことはありませんが、一旦タガが外れれば増加数は想像を超えるペースで増える可能性がありそうです。中国指導部は、コロナ感染拡大を幾分容認するのか、経済を犠牲にしてでも感染を抑え込むため厳格な規制に回帰するのか判断しなければならないタイミングに差しかかっているとみられます。
トルコ中銀が24日、再び政策金利を引き下げました。1週間物レポ金利を「9%」と、「1.5ポイント」の大幅利下げでしたが、市場予想通りの結果でした。年内に1桁にするよう主張していたエルドアン大統領の意向に沿った形となり、金融政策員会(MPC)は声明文で、「現在の政策金利は適切であり、8月に開始した利下げサイクルを終了することを決めた」と説明しています。トルコではインフレ率が85%を超えていますが、世界的な引き締めの流れに逆行してエルドアン大統領の圧力の下、4回連続で利下げを実施し、8月からの利下げ幅は合計で5%に達しています。この決定を受け、リラ円は7円38銭前後まで下げています。通貨リラは歴史的な低水準で推移しており、なかなか浮上のきっかけがつかめない状況が続いています。
本日のドル円は137円50銭~139円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続落。米国が感謝祭の祝日だったものの、欧州市場で138円07銭前後までドル売りが進む。欧州株も堅調でリスクオンの流れが継続。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-11-25 10:15