不動産開発の華僑城ＨＤ、２２年１２月期は大幅な増益も赤字が倍増の約２０億元に

　中国の不動産開発企業、華僑城（アジア）ＨＤが３月３１日、２０２２年１２月期の通期決算を発表した。前期比で売上高が倍増した一方で、赤字も２倍以上に膨らんだ。 　２２年１２月期通期の売上高は３０億７２４５万人民元で、前期の１４億７４１２万元から２．０８倍に増えた。甘粛省の合肥空港国際小鎮開発などの大型プロジェクトにより総合開発事業収入が大きく増加した。一方で、売上総利益率は１０．５％で前期の２０．６％から１０．１ポイント減とほぼ半減した。新型コロナウイルスの感染拡大により上海市でロックダウンが発生したことなどの影響を受けて収益性が低下した。 　当期純損益は１９億９６０６万元の赤字で、前期の８億４２１５万元から赤字額が２．２２倍に膨らんだ。会社株主に帰属する純損益は１９億１２５３万元の赤字（同２．１７倍）で、１株あたり純損失は２．８８元で、前期の１．４９元から１．３９元悪化した。 　このうち、総合開発事業の純損益は２４００万元の赤字（前期は１億２８００万元の黒字）となり、主力事業が赤字に転落した。新型コロナの影響によりホテルやマンションリースの業績が悪化したことなどが主な要因。また、株式投資・ファンド事業の純損益が１８億６００万元の赤字と、前期の９億９１００万元から赤字額が８０％以上拡大。不動産市場を取り巻く環境が悪化を続け、関連会社や合弁会社の棚卸資産評価損、未回収売掛金、投資資産の減損損失が大きく膨らんだ。（編集担当：今関忠馬）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）