【為替本日の注目点】ドル円131円割れから反発

ドル円は東京時間朝方には131円を割り込み、130円78銭近辺まで下落。NYでも131円を割り込む場面があったが、その後ドルは急反発し、131円90銭を付ける。ユーロドルは小動きの中、1.09を挟んでもみ合う。株式市場は3指数が上昇したが、雇用統計前のポジション調整との見方も。ダウはほぼ横ばい。S&P500は14ポイントの上昇。債券はほぼ変わらず。長期金利は3.30%台で推移。金は続落し、原油は小幅高。
新規失業保険申請件数 → 22.8万件
ドル/円 130.95 ~ 131.90
ユーロ/ドル 1.0886 ~ 1.0937
ユーロ/円 142.84 ~ 144.01
NYダウ +2.57 → 33,485.29ドル
GOLD -9.02 → 2,026.40ドル
WTI +0.09 → 80.70ドル
米10年国債 -0.006 → 3.305%
【本日の注目イベント】
日 2月景気先行指数(CI)(速報値)
中 3月外貨準備高
米 グッドフライデーのため株式市場は休み。債券市場は短縮取引
米 3月雇用統計
今夜の「雇用統計」を前にドル円は神経質な動きを見せています。昨日の早朝には131円を割り込み、130円78銭近辺までドルが売り込まれましたが、131円台への戻りも速かったようです。NYでは朝方、再度131円割れをテストしましたが、その後買い戻しが入り131円90銭まで値を戻しています。ドル円との相関が強い米長期金利はほぼ横ばいだったことから、このドルの上昇は「雇用統計」を前にしたポジション調整ではないかと見られます。セントルイス連銀のブラード総裁はイベントに出席後、記者団に「金融環境に見られたストレスは、少なくとも差し当り和らいだようだ。従って、インフレとの闘いを続け、ディスインフレの軌道に乗せる取り組みをするいい機会だ」と述べ、高インフレと闘うための利上げは続けるべきだとの考えを示しました。
フランスのマクロン大統領とフォンデアライエン欧州委員長が中国を訪問し、習近平主席と会談しています。マクロン大統領は会談で、「習氏ならロシアに理性を取り戻させ、全ての当事者を交渉の席に着かせることができると信頼している」と、習氏を持ち上げる発言を行いましたが、これに対して習氏は、「中国は和平交渉と政治的解決の促進を主張している」と述べるにとどめています。もっとも、今回の訪中ではフランス側からは企業のトップ50人余りが同行しており、中国に和平交渉の仲介役を求めるというよりも、ビジネスを優先した面も否めません。航空機メーカー大手のエアバスは、中国航空器材集団から「航空機160機受注」という大型商談を成功させています。
IMFは6日、向こう5年間の世界経済の見通しを発表し、見通しは「約30年ぶりの弱さだ」と警告しています。「地政学的な緊張がもたらす経済的な分断を回避し、生産性を向上させる措置を講じるよう」各国に促しています。ゲオルギエワ専務理事はワシントンの講演で、「地政学的な緊張が高まりつつあり、インフレが依然として高い中、力強い景気回復は難しい状況が続いている。これはあらゆる人の見通しに悪影響を与える。最も脆弱な人々や国々にとっては特にそうだ」と指摘しています。IMFによると、先進国の約90%で今年の成長が減速する見通しで、今後5年間の経済成長率を「約3%」と、1990年以来の低さになると予想しています。
先週の失業保険申請件数は市場予想を上回る「22.8万件」で、その前の週も「19.8万件」から「24.6万件」へと大きく上方修正されています。米労働省は、同指数の季節調整の統計手法を変更したと発表しており、新しい手法による統計では、今年発表された新規失業保険申請件数は、これまでに発表された数字よりも大きく上方修正されています。本日は21時半に「3月の雇用統計」が発表されます。新しい統計手法では失業保険申請件数の水準がかなり高かったことや、前日発表された「ADP雇用者数」でも事前予想を大きく下回ったことで、「好調だった労働市場もそろそろ息切れか・・・・」といった観測も出始めており、今夜の結果が非常に注目されます。結果次第では上へも下へも大きく動く可能性がありますが、本日の米国は「グッドフライデー」のため株式市場は休みとなり、債券市場も短縮取引となります。ドル円に大きな影響を及ぼす米金利の取引時間が半分になるということで、ドル円の動きが抑制されると考えることも出来ますが、反対に、大きく乱高下する要因になり得る点にも注意が必要です。景気抑制の波が、いよいよ労働市場にも及んできたのかどうか、今夜の「雇用統計」が「試金石」になります。
本日のドル円は130円~133円程度とワイドレンジ予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京時間朝方には131円を割り込み、130円78銭近辺まで下落。NYでも131円を割り込む場面があったが、その後ドルは急反発し、131円90銭を付ける。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-04-07 10:00