【為替本日の注目点】円続落し143円台後半まで上昇

 ドル円は緩やかに上昇し、NYでは143円87銭まで続伸。パウエル議長の「年内2回利上げの可能性」に言及した発言を意識したドル買い円売りが続く。ユーロドルは小幅に反落。ドルが買われたことで1.0877まで下落。株式市場は3指数が揃って下落。ダウは219ドル下げ、4日続落。PMIが予想を下回ったことが重荷に。債券は続伸。長期金利は3.73%台に低下金は4日ぶりに上昇。原油は小幅に続落。 6月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 46.3 6月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 54.1 6月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値) → 53.0 ドル/円 142.67 ~ 143.87 ユーロ/ドル 1.0877 ~ 1.0903 ユーロ/円 155.47 ~ 156.65 NYダウ -219.28 → 33,727.43ドル GOLD +5.90 → 1,929.60ドル WTI -0.35 → 69.16ドル 米10年国債 -0.060 → 3.735% 【見出し 本日の注目イベント】 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(6月15、16) 独 独6月ifo景況感指数 米 メスター・クリーブランド連銀総裁、イベント閉会の挨拶  ドル円は当局の介入を避けるかのようにジリジリと、緩やかに上昇し、NYでは143円87銭まで買われています。パウエル議長が議会証言で「年内に再び、恐らく2回の利上げを行うことが適切になると感じている」と発言したことがドル買いにつながっている一方、水準的にはいつ「口先介入」があってもおかしくはない水準だけに、ドル買いを進める方も慎重にならざるを得ない状況でもあります。ただ、パウエル議長が年内2回の利上げの可能性に言及する一方、利上げ据え置きを支持する考えを示すメンバーもいました。アトランタ連銀のポスティック総裁は23日ジョージア大学での講演で、「政策金利は5-5.25%だ。適度に景気抑制的な水準であり、現在の状況から見て、インフレ率を2%目標へと戻すのに十分な可能性がある」と語っています。また、「現在得られている情報には満足しており、今の水準を年内、そして来年に入っても長く据え置くことに違和感はない」と、パウエル議長と真逆の認識を示しました。ドル円はこの発言で、ドル売りが優勢になる場面もありましたが、長くは続かなかったようです。ポスティック総裁の発言は現時点では少数派だと受け止められています。  ウクライナ情勢に関するニュースに、先週土曜日は驚きました。ロシアの民間軍事会社ワグネルがロシア国内で武装蜂起を宣言し、首都モスクワを目指して進軍しているとの報道がありました。この報道を耳にした瞬間、「これがウクライナ戦争終結のきっかけになるかもしれない」との思いが浮かびましたが、結局この混乱は1日で収束してしまいました。だだ、この影響は決して小さくはないと思われます。ロシア国内では支持率も高く、全ての軍事的権力を掌握しているプーチン氏にとって、身内から反乱者が出た事実は、今後戦争終結への可能性も暗示しているのではないかと思われます。ブリンケン国務長官は「ワグネルの反乱はプーチン氏の権威に対する直接的な挑戦だ。この反乱は数々の深刻な問題を提起している」と述べており、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ロシアの全面的な弱さの表れだ。ウクライナはロシアの悪と大混乱の広がりから欧州を守ることができる」と語っています。また、中国外務省も今回の事態を「ロシアの内政問題だ」と短くコメントしています。ただ今回武装決起を起したワグネルのブリゴジン氏を「裏切り物」と批判したプーチン氏は、その後目立った行動を見せていません。ブリゴジン氏も同様にその後の行動が確認されていないことから、今回の混乱が和平につながるのか、あるいはプーチン氏の一段の権力掌握になるのか、未知数だとする見方が多いようです。それでも、ゼレンスキー大統領の顧問を務めるポドリャク氏は「ウクライナにとって間違いなく吉報だ。戦争終結を早めるのは確実だろう」とブルームバーグのインタビューに答えていました。  先週末、日本の5月の消費者物価指数(CPI)が総務省から発表されました。コアCPIは「3.2%」と前月の「3.4%」から縮小していましたが、市場予想の「3.1%」は上回っていました。総務省の説明によると、電気・ガス価格の激変緩和措置と全国旅行支援といった政策効果がなかった場合、5月の総合CPIは「4.3%」上昇、コアCPIは「4.2%」の上昇になるとしており、522品目中、438品目で値上がりしたと説明しています。  本日のドル円は142円50銭~144円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は緩やかに上昇し、NYでは143円87銭まで続伸。パウエル議長の「年内2回利上げの可能性」に言及した発言を意識したドル買い円売りが続く。ユーロドルは小幅に反落。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-06-26 10:15