【為替本日の注目点】ユーロ円一時164円30銭まで上昇

 ドル円は反落。一連の弱い経済指標と米金利の低下に150円29銭まで売られる。ここ数週間は底堅い動きを見せるものの、151円台半ばから後半では押し戻される展開が続く。ユーロドルは続伸。8月末以来となる1.0895までユーロ高が進み、対円でも欧州時間には164円30銭前後まで上昇。株式市場はまちまち。ダウは45ドル下げ、他の2指数は小幅に上昇。債券相場は日替わりで一進一退の展開が続き、この日は反発。長期金利は4.43%台に低下。金は反発。原油は在庫の増加が重しとなり大幅に続落。 新規失業保険申請件数 → 23.1万件 10月輸入物価指数 → -0.8% 10月輸出物価指数 → -1.1% 11月フィラデルフィア連銀景況指数 → -5.9 10月鉱工業生産 → -0.6% 10月設備稼働率 → 78.9% 11月NAHB住宅市場指数 → 34 ドル/円 150.29 ~ 151.25 ユーロ/ドル 1.0842 ~ 1.0895 ユーロ/円 163.25 ~ 164.13 NYダウ -45.74 → 34,945.47ドル GOLD +23.00 → 1,987.30ドル WTI -3.76 → 72.90ドル 米10年国債 -0.096 → 4.436% 【本日の注目イベント】 欧 ユーロ圏9月経常収支 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値) 欧 ラガルド・ECB総裁講演 英 英10月小売売上高 米 10月住宅着工件数 米 10月建設許可件数 米 コリンズ・ボストン連銀総裁講演 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁講演 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演  1年ぶりの対面で行われた米中首脳会談は4時間程続きましたが、予想された通り、貿易、台湾、人権に関する部分では双方が譲らず、目立った進展はありませんでした。特に台湾問題ではバイデン大統領は、一方的な現状変更には反対し、中国が台湾海峡やその周辺で展開する軍事活動の自制を求めたのに対して、習近平主席は米国に台湾への武器輸出を停止するよう求め、「中国はいずれ台湾を統一する。必ず統一する」と述べています。結局、今回の会談では大きな進展は見られなかった中で、「最大の成果は直接会って対話ができたこと」(日経新聞)と言えるようです。ただその中でも、「バイデン大統領が会見の終わりに記者の質問に答えた一言が、首脳会談の成果に影を落とす可能性がある」とブルームバーグは報じています。「習主席を独裁者と呼んだ今年6月のコメントについて、今も引き続きそう考えるかと尋ねられた大統領は『つまり、われわれと全く異なる政府の形態に基づく共産主義国家を統治する人間という意味で、彼は独裁者だ』と口を滑らせた」と伝えています。  失業保険の申請件数がじわりと増えており、10月の雇用統計の内容を正当化するような数字が出てきています。申請件数は23万1000件と、8月以来となる高水準でしたが、失業保険の継続受給者の方はさらに増え186万5000人でした。こちらは8週連続で増加しており、米労働市場のひっぱく度合いが緩和してきたと見られます。失業保険申請件数は祝日の関係で大きく変動することから、より変動の少ない「4週移動平均」で比較されるのが一般的ですが、その数値も22万250件と増加していました。今後もこの傾向が続くようだと、経営者は高賃金を示さなくとも労働力の確保が容易になることが予想され、インフレ率の低下に寄与すると見られます。  ユーロドルでは「ドル安・ユーロ高」が続いており、昨日のNYでは1.0895までユーロが買われ8月31日以来の高値を付けています。ドル円では依然としてドル高傾向が続いており、足元の動きは「ユーロが最強で、円が最弱」となっています。因みに8月31日のドル円は145円台前半から146円台前半で推移しており、この差がユーロ円の上昇につながっています。ユーロ円は昨日の欧州市場の朝方には164円30銭前後まで上昇し、今週はユーロ円の上昇が目立っています。市場ではユーロ円のロングも増えており、これがドル円をサポートする動きにつながっている側面もありそうです。  本日のドル円は150円~151円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。一連の弱い経済指標と米金利の低下に150円29銭まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-11-17 10:00