【為替本日の注目点】ドル円147円台前半から反発

欧州時間早朝には147円15銭まで売られたドル円はNYでは反発。FOMC議事録で委員会が慎重な姿勢で臨むことが判明したことを手掛かりに148円60銭まで上昇。ユーロドルは続伸し、1.0961まで買われる。株式市場は3指数が揃って下落。FOMC議事録がややタカ派的な内容だったことで売りが優勢に。債券は続伸。長期金利は4.39%台に低下。ドル安が進んだことで金は大幅に反発し2000ドルの大台に。原油は小幅に下落。
10月中古住宅販売件数 → 379万件
ドル/円 147.36 ~ 148.60
ユーロ/ドル 1.0900 ~ 1.0961
ユーロ/円 161.44 ~ 161.99
NYダウ -62.75 → 35,088.29ドル
GOLD +21.30 → 2,001.60ドル
WTI -0.06 → 77.77ドル
米10年国債 -0.027 → 4.393%
【本日の注目イベント】
欧 ユーロ圏11月消費者信頼感指数(速報値)
米 新規失業保険申請件数
米 10月耐久財受注
米 11月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
ドル円は今週に入って急速に円が買い戻される展開になってきました。昨日の東京時間午後には147円23銭までドル売りが進み、欧州時間朝方には147円15銭までドルが売られ、9月14日以来約2カ月ぶりの円高水準を付けています。明日は東京市場が祝日で米国では感謝祭と、休みが続くことでポジション調整のドル売りが相場を押し下げたようですが、急激な下げで市場参加者にはやや戸惑いも出て来たようです。ただNYではFOMC議事録が公開され、今後の政策については慎重に臨むことが明らかになったことでドルが買い戻されました。
10月31日―11月1日に開催されたFOMC議事要旨では、「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」と記されていました。また、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的目標である2%を大きく上回っていると指摘した」とした上で、「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になることも強調した」とありました。累積的な利上げの効果によってインフレ率は下がったものの、目標の2%にはまだ1%程下げる必要があることから、FOMCメンバーがこの先の政策運営に予断なく、なお慎重な姿勢で臨むことは容易に想定されたことです。
重要なことは、FOMCメンバーが「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信する」とする、その「確信」が、インフレ率がどの程度まで下げ、その状況がどの程度の期間継続することが必要なのかを今後見極めることです。その意味では引き続き労働市場と個人消費の動向がカギを握っていると言えます。ブルームバーグは、「米国で年末商戦が本格的にスタートするブラックフライデー(感謝祭の翌日)前に、世帯年収が年間10万ドル(約1500万円)を超える消費者層では支出抑制の動きがあることが明らかになった。リセッション回避で個人消費に大きく依存してきた米国経済にとって懸念材料となる」と報じています。
戦闘が続いているイスラエルとハマスの間で、一時的な戦闘停止で合意する可能性が出てきたようです。イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスが連れ去った人質240人の一部返還について「前進している」と述べ、「現時点に至ってもあまり多くを話すべきではないと思うが、近く良いニュースがあると期待している」と語っています。また、パレスチナ自治区ハマスの指導者、イスマイル・ハニヤ氏もイスラエルとの交渉について、「拘束している人質の一部開放に道を開くことになる『停戦合意』に近づいている」との認識を示しています。イスラエルの非人道的攻撃に対する非難の声は世界的にも広がっており、イスラエル側も欧米諸国からの強い要請もあり、これ以上の無差別攻撃は停止すべきとの声が内部からも上がっている模様です。
ドル円は147円の15銭近辺で下げ止まり、反転しています。チャートでは見事に「12時間足」での「指数平滑移動平均線」(12時間ローソク足200本)が機能しています。短い時間足ではドル売りシグナルが点灯しましたが、日足ではやや変化は見えるものの、まだ「トレンド転換」とは言えません。一方上値の方は、高値から4円76銭も下げたことで戻り売り姿勢を強める参加者も多くなっているものと思えます。この先、しばらく値動きを慎重に確認する必要があります。
本日のドル円は147円50銭~149円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
欧州時間早朝には147円15銭まで売られたドル円はNYでは反発。FOMC議事録で委員会が慎重な姿勢で臨むことが判明したことを手掛かりに148円60銭まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-11-22 10:30