【為替本日の注目点】米住宅指標軟調でドル円は148円台半ばまで下落

 ドル円は反落。住宅関連指標が軟調だったことで米金利が低下。ドル円は148円55銭まで売られる。ユーロドルは堅調に推移し、1.09台半ばまで上昇。株式市場は3指数が揃って下落したが、下げ幅は小幅。S&P500は8ポイント下げ、ナスダックは9ポイントの下落。債券は買われ、長期金利は4.38%台に低下。金は続伸し一時は2018ドル台まで上昇。一方原油は続落し74ドル台まで下落。在庫が膨らんでいることが重荷に。 10月新築住宅販売件数 → 67万9000戸 ドル/円 148.55 ~ 149.06 ユーロ/ドル 1.0925 ~ 1.0957 ユーロ/円 162.54 ~ 162.98 NYダウ -56.66 → 35,333.47ドル GOLD +9.40 → 2,012.40ドル WTI -0.68 → 74.86ドル 米10年国債 -0.080 → 4.387% 【本日の注目イベント】 豪 豪10月小売売上高 独 独12月GFK消費者信頼調査 米 9月ケース・シラ-住宅価格指数 米 9月FHFA住宅価格指数 米 11月コンファレンスボード消費者信頼感指数 米 11月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、会合で冒頭挨拶 米 ウォラー・FRB理事講演  ドル円は上値をやや重くしてきました。149円台半ばで推移していたドル円は、昨日の東京時間でも午後には149円を割り込む場面がありました。日経平均株価がプラスから下げに転じ、リスクオフが進んだことに反応したものと思われますが、その後欧州市場では149円30銭近辺まで一旦反発しましたが続かず、NYでは長期金利の低下から148円55銭まで売られています。基本的には想定内の動きで、レンジが続いている状況ですが、新築住宅販売件数が予想を下回ったことで、FRBによる追加利上げ観測が後退しドル売りが優勢になったといったところです。  今後の動きはやはり経済データ次第ということですが、この先軟調な結果が発表されると、FOMCメンバーがタカ派寄りの発言を繰り返したとしても、その影響は徐々に軽減されそうです。新築住宅販売件数の鈍化は米住宅ローン金利が数十年ぶりの高水準にあることが大きく影響しているようですが、これが労働市場や個人消費にも、どの程度及んでくるのかが焦点になります。米アドビは、感謝祭明けの「サイバーマンデー」で、米国の消費者は最大124億ドル(約1兆8500億円)を支出する見通しだと発表し、「ブラックフライデー」での支出が予想を上回ったほか、後払い決済の「バイ・ナウ・ペイ・レイター」(BNPL)の利用が好調なことから、「サイバーマンデー」の支出額見通しを当初予測の120億ドルから引き上げています。(ブルームバーグ)米個人消費はGDP全体の7割を占めると言われ、この状況であれば相次ぐ利上げによる景気押し下げの先にある「リセッション入り」は避けられ、ソフトランディングの可能性がより高まってきたと言えそうです。30日(木)発表のPCEコア指数がより注目されます。  ハマス側が停戦の延長を求めていましたが、イスラエルは2日間停戦を延長することで合意しました。カタール外務省は、「双方が戦闘をさらに2日間休止する」と説明し、ハマス側は「前回の戦闘休止と同じ条件下で、人道的な一時停戦をさらに2日間延長することで合意した」と発表しています。2日間の停戦延長に伴いハマスは人質の解放を行い、イスラエルもパレスチナ人の解放を行う見込みです。米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は「ホワイトハウスは戦闘休止延長の発表を歓迎する」と述べ、「バイデン大統領が26日にイスラエルのネタニヤフ首相と状況について話し合っていた」と付け加えています。ただ今後本格的な停戦に向うのかを巡っては、依然としてその可能性は低いと見られているようです。  WTI原油価格が軟調な動きを見せ、昨日のNY商品先物市場では74ドル台まで売られています。今年7月以来およそ4カ月ぶりの安値まで沈みましたが、背景には中国経済の低迷が基本的にあり、加えて石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」に対して、サウジアラビアが生産枠の引き下げに応じるよう要請していますが、一部メンバーが強く反対していることが影響しています。そのため「OPECプラス」の会合日程が当初予定されていた日程から遅れており、今週30日に行われる見込みです。ブルームバーグによると、サウジは今年7月以降価格の下落を防ぐ目的で、日量100万バレルの自主減産を行っている「OPECプラス」にさらなる支援を求めており、これに対してアンゴラとナイジェリアが生産枠引き下げに反対しているようです。9月下旬には93ドル台後半まで上昇した原油価格は、高値から20%を超える下落を見せています。日本の貿易収支にとっても好影響で、長い目で見れば市場のドル買い圧力の低下につながります。  本日のドル円は147円50銭~149円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。住宅関連指標が軟調だったことで米金利が低下。ドル円は148円55銭まで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2023-11-28 10:00