【為替本日の注目点】ドル円156円台まで反発する荒っぽい動き

ドル円は大幅に反発。前日154円台半ばまで売られたドル円は欧州市場で156円台を回復し、NYでは一旦は売られたが156円48銭まで買われた。ユーロドルは1.08台半ばから後半で推移。株式市場では3指数が揃って続伸。米金利が低下したことでナスダックとS&P500は共に最高値を更新。債券は続伸。長期金利は4.27%台に低下。金と原油は反発。
5月ADP雇用者数 → 15.2万人
5月ISM非製造業景況指数 → 53.8
5月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 54.8
5月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 54.5
ドル/円 155.72 ~ 156.48
ユーロ/ドル 1.0855 ~ 1.0892
ユーロ/円 169.31 ~ 170.01
NYダウ +96.04 → 38,807.33ドル
GOLD +28.10 → 2,375.50ドル
WTI +0.82 → 74.07ドル
米10年国債 -0.051 → 4.275%
【本日の注目イベント】
豪 豪4月貿易収支
独 独4月製造業新規受注
欧 ユーロ圏4月小売売上高
欧 ECB政策金利発表
欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
欧 欧州議会選挙(9日まで)
米 新規失業保険申請件数
米 4月貿易収支
加 4月貿易収支
ドル円は引き続きボラティリティーが高く、荒っぽい動きが続いています。前日154円台半ばまで売られたドル円は一日でほぼ2円も反発し、急落前の水準までドルが買い戻されました。昨日は長期金利がさらに低下したにもかかわらずドル円が買われました。昨日もこの欄で触れた日足の「サポートライン」は、今のところ、結局下抜け出来ずに押し戻された格好です。「三度目の正直」も今のところお預けのようです。市場のセンチメントが変わっていないことと、米金利が低下しても「日米金利差が劇的に縮小しない」との見方が強く、米インフレのそれと同じく、「ドル高傾向にも粘着性」があるように思えます。
「5月のADP雇用者数」が市場予想を下回り、前日発表された「5月のISM製造業景況指数」と同じようにFRBによる利下げをサポートする動きを見せましたが、同時に発表された「5月のISM非製造業景況指数」が、反対に予想を上回ったことでドル円を押し上げた可能性もあります。結局、米長期金利は前日比で低下して取引を終えましたが、NY株式市場はこれを好感し、ナスダックとS&P500は揃って最高値を更新しました。多くの資産運用機関がベンチマークとするS&P500は「今年25回目の最高値更新」を達成して引けています。カナダ中銀がG7諸国で初めてとなる利下げを決めたことも、株式市場には追い風になったようですが、これから米国も含めて本格的な「金融緩和時代」に入るのか、カナダ中銀の決定はその試金石として受け止められています。同中銀は25bpの利下げで、政策金利を4.75%にしましたが、声明文では「さらなる進展が得られれば、追加利下げを想定するのは理にかなう」と、追加利下げも示唆していました。先進国の中ではすでにスイス中銀が利下げに踏み切っています。
「5月のADP雇用者数」は市場予想の「17.5万人」に対して「15.2万人」でした。4月分も下方修正されており、これで先月の雇用統計の結果と合わせて米労働市場の減速の兆しがジワリと映し出された格好です。こうなると、明日の雇用統計の結果が極めて重要になりますが、結果次第では上記「サポートライン」を再び試す動きもないとは言えません。
本日のドル円は155円20銭~156円70銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は大幅に反発。前日154円台半ばまで売られたドル円は欧州市場で156円台を回復し、NYでは一旦は売られたが156円48銭まで買われた。(イメージ写真提供:123RF)
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2024-06-06 10:15