【為替本日の注目点】FOMC25bpの利下げを決定

 ドル円はFOMCの決定を受け、146円台前半から145円50銭まで急落。ただその後は米金利が上昇したことで147円台まで値を戻す。25bpの利下げは想定通り。ユーロドルも会合後に買われ、2021年6月以来となる1.1918まで急騰。株式市場ではダウが買われたが、他の2指数は小幅安。債券はFOMC後に買われたがその後売られ、結局前日比下落。長期金利は4.08%台に上昇。金と原油は小幅安。 8月住宅着工件数 → 130.7万件 8月建設許可件数 → 131.2万件 ドル/円 145.50 ~ 147.04 ユーロ/ドル 1.1808 ~ 1.1918 ユーロ/円 173.13 ~ 173.78 NYダウ +260.40 → 46,018.32 GOLD -7.30 → 3,717.80ドル WTI -0.47 → 64.05 米10年国債 +0.059 → 4.087% 【本日の注目イベント】 豪豪8月雇用統計 欧ユーロ圏7月経常収支 欧ラガルド・ECB総裁、イベントで挨拶 英BOE金融政策発表 英BOE金融政策委員会(MPC)議事録 米新規失業保険申請件数 米9月フィラデルフィア連銀景況指数 米8月景気先行指標総合指数  注目のFOMC会合では、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを、市場予想通り0.25ポイント引き下げ、4-4.25%にすることを決めました。  声明文では、「最近の複数の指標は経済活動の伸びが今年上期に緩やかになったことを示唆する。雇用の伸びは鈍化し、失業率はやや上昇したものの、低いままだ。インフレは上昇し、幾分高止まりしている」とし、「委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。景気見通しに関する不確実性は依然として高い。委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っており、雇用の下振れリスクは高まったと判断している」と記し、さらに「金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は今後の情報が経済見通しに与える意義を引き続き監視する。委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、委員会は必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある。委員会は労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢などを幅広く考慮して判断する」と発表されました。今回の金融政策措置に対し、パウエル議長とウィリアムズ副議長、バー理事、ボウマン副議長、コリンズ総裁、クック理事、グールズビー総裁、ジェファーソン副議長、ムサレム総裁、シュミッド総裁、ウォラー理事が賛成しています。反対票を投じたのは、トランプ大統領の意向を受けて急遽理事に就任したマイラン氏で、0.5ポイント引き下げるよう求めていました。  会合後の会見でパウエル議長は、「労働市場に軟化の兆しが強まっている」と指摘し、「労働需要は軟化し、最近の雇用創出ペースは失業率の安定維持に必要な水準を下回っているようだ。非常に堅調だとはもはや言えなくなった」一方で、「インフレは上昇し、幾分高止まりしている」とも説明しています。失業率については、「やや上昇したものの、低いままだ」と指摘し、その上で、「雇用の下振れリスクは高まった」と付け加えました。ブルームバーグは会合の結果について、「今回の利下げは広く予想されていた。ここ数カ月における雇用ペースの急減速を受け、FOMCの懸念がインフレから雇用へと移る兆しが見られていた。今回は最新の四半期経済予測も公表。年内に0.25ポイントの利下げをさらに2回行うと見込んでいることが示された。これは6月時点での予想より1回多い利下げを予想していることを意味する。また2026年と27年に1回ずつ、0.25ポイントの利下げを予想した」と論評していました。今回の会合に関しては、これまで以上に市場の混乱が予想されていましたが、発表後ドル円は146円台前半から急落し145円50銭まで売られましたが、驚きはありませんでした。驚いたのは、その後147円台まで反発したことです。米金利が上昇に転じたことや、パウエル議長が会見で、労働市場の鈍化は認めたものの、思ったほどハト派的ではなかったことが挙げられます。また、マイラン理事が0.5ポイントの引き下げを求めたことは想定内でしたが、トランプ派と言われているボウマン副議長とウォラー理事が0.25ポイントの利下げに賛成したことは意外でした。両氏は前回、政策金利の据え置きが決められた際にも揃って利下げを主張していました。  FOMC会合を終えて、ドル円もユーロドルも直近のレンジを抜けました。ただ、それでもドル円は非常に重要な節目の145円は維持しており、今後FRBの政策金利引き下げが続くと予想されるなか、この水準をどのタイミングで割り込むのか、あるいは日本の政局の不安から反転するのか、見極めていかなければなりません。明日の日銀金融政策決定会合では据え置きがほぼ確定的で、さらに政局次第では10月会合(10月29―30日)でも見送られる可能性もあります。テクニカルで言えば、昨日の時点でドル円は「一目均衡表の雲」を下抜けしましたが、その後反転したことでローソク足では「長い下ヒゲ」を形成しました。このため、現時点では完全に下抜けしたとは判断できません。目先は上値の重い展開が予想されますが、どこまで下値を切り下げるのか見ていきたいと思います。  本日のドル円は145円70銭~147円70銭程度を予想します。 (編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円はFOMCの決定を受け、146円台前半から145円50銭まで急落。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2025-09-18 10:30