【為替本日の注目点】ドル円153円に迫る

ドル円は続伸し、欧州時間朝方には153円を付ける場面も。NYではFOMC議事録公開を契機にドルが買われたが152円94銭止まり。ユーロドルでもドル高の流れが続き、ユーロは1.1598まで下落。株式市場ではナスダックとS&P500が買われ最高値を更新。ダウはほぼ横ばい。債券市場では目立った動きもなく、長期金利は横ばい。金は4日続伸し、最高値を更新。原油も3日続伸。
ドル/円 152.38 ~ 152.94
ユーロ/ドル 1.1598 ~ 1.1645
ユーロ/円 177.17 ~ 177.65
NYダウ -1.20 → 46,601.70
GOLD +66.10 → 4,070.50ドル
WTI +0.82 → 62.55
米10年国債 -0.006 → 4.117%
【本日の注目イベント】
独 独8月貿易収支
独 独8月鉱工業生産
米 新規失業保険申請件数
米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、バー・FRB理事と対談
円安の流れが止まりません。昨日の東京時間では、152円台前半から半ばで推移し、底堅い動きを見せていたドル円が、欧州時間の朝方にはさらに買われ、153円前後まで上昇しました。NYでは、米金利がやや低下したこともあり、もう一段の上昇とはなりませんでしたが、依然として底堅い動きが続いています。ドル円は先週末のNYのドル安値から、今週だけで6円近くも一気に円安が進む事態になっています。高市氏が財政出動に積極的、日銀による利上げのタイミングが遅れる、さらに足元の日経平均株価の上昇による「リスクオン」などが、円売りを加速させていると見ています。
9月16-17日開催のFOMC議事録が公開されました。議事要旨では「年内の追加緩和が適切になる可能性が高いと、大部分の参加者が判断した」と記述されている一方で、「インフレ見通しに対する上振れリスクを重視する参加者が過半数を占めた」と記されていました。9月会合では賛成11、反対1で、政策金利を0.25ポイント引き下げて4-4.25%にすることを決定しました。今年初めての利下げでしたが、唯一反対票を投じたのは、トランプ大統領の信任を受けて新たに就任したミラン理事で、0.5ポイントの大幅な利下げを主張していました。ただ、このことはすでに周知の事実であることから、市場への影響はありませんでした。会合後に公表された新たなドットチャートによると、年内は0.25ポイントの追加利下げがあと2回見込まれていたことで、発表時にはドルが売られたことを記憶していますが、意見には隔たりがあったようで、19人の参加者のうち7人は、「年内はこれ以上の利下げはない」と予測していたことも判明。確かに、この会合以降に行われたメンバーの講演では、依然として「今後の利下げには慎重であるべき」との意見が多く見られます。(参照:下記What’s going on?)
米政府機関の閉鎖が2週目に突入する中、25万人以上の連邦職員が今週、予定されていた給与を受け取れなかったそうです。予算を巡る与野党の対立が3週目に入っても解消されなければ、さらに200万人の職員が無給となるとの見通しもあります。政府閉鎖による痛みがここにきて顕在化しつつあり、議会に対しては早期に予算を成立させ、政府機関を再開するよう圧力が強まっています。トランプ政権は強硬姿勢で民主党に妥協を迫っており、また行政管理予算局(OMB)による法的文書の草案で、政府閉鎖が終わっても職員が必ずしも遡及的に給与を受け取れるとは限らないと主張していることも明らかになりました。トランプ大統領は、「誰のことを指すかによるが、大部分については、われわれがしっかり面倒を見るつもりだ」とホワイトハウスで述べ、「中には面倒を見るに値しない人々もいる。そうした人々については別の形で対処する」と発言していました。
パレスチナ自治区ガザで2年間続く戦争の終結に、ガザを実効支配するイスラム組織のハマスとイスラエルがともに慎重ながら前向きな見解を示しています。トランプ大統領が提示した和平案を巡る交渉は3日目に入り、仲介役も交渉会場に到着しました。トルコのフィダン外相は、停戦を発表できるようになるには「あと1つか2つ確認が必要な項目がある」と述べ、人質と囚人の交換条件やイスラエル軍の駐留と並び、人道支援の拡大が議論されていると明らかにしました。トランプ氏も、「週の終わりごろ、日曜になるかもしれないが、中東を訪問する可能性がある」と述べ「われわれの最終交渉の相手はご存じの通りハマスだ。そして順調に進んでいるようだ」と楽観的な見方を示していました。
本日のドル円は151円80銭~153円80銭程度を予想します。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円は続伸し、欧州時間朝方には153円を付ける場面も。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2025-10-09 10:15