【為替本日の注目点】米長期金利4%を割り込む

ドル円は続落。米地銀2行の信用不安が降って沸き、米金利が低下したことで150円21銭までドル売りが進む。ユーロドルは買われ、1.17台に迫る。株式市場では信用不安の広がりから3指数が揃って下落。安全資産の債券は買われ、長期金利は3.97%台まで低下。金は5日続伸。原油は3日続落。
9月生産者物価指数 → Delayed by Government Shutdown
9月小売売上高 → Delayed by Government Shutdown
10月NAHB住宅市場指数 → 37
新規失業保険申請件数 → Delayed by Government Shutdown
ドル/円 150.21~ 151.28
ユーロ/ドル 1.1650 ~ 1.1694
ユーロ/円 175.44 ~ 176.33
NYダウ -301.07 → 45,952.24
GOLD +103.00 → 4,304.60ドル
WTI -0.81 → 57.46
米10年国債 -0.054 → 3.975%
【本日の注目イベント】
日 内田日銀副総裁、全国信用組合大会で挨拶
欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(改定値)
米 9月住宅着工件数
米 9月建設許可件数
米 9月輸入物価指数
米 9月輸出物価指数
米 8月鉱工業生産
米 ムサレム・セントルイス連銀総裁、座談会に参加
米 決算発表→ アメックス
ドル円は米地銀2行が不正疑惑に絡む融資問題が明らかになり、信用不安が広がったことで安全資産の債券が買われ金利が低下。2年債利回りは2022年9月以来の低水準をつけ、ドルが売られています。一方、「ゴールド・ラッシュ」の様相を呈している金は103ドル買われ、「4300ドル台」に乗せています。降って沸いたような信用不安の広がりは、さらなる追加利下げを正当化させる可能性もあります。
9月の日銀決定会合では、高田審議委員と共に、政策金利据え置きに反対票を投じた田村審議委員が昨日、沖縄県金融経済懇談会で講演しました。米中貿易摩擦が再び激化し、植田総裁も依然として利上げのタイミングについては慎重な姿勢を見せるなど「逆風」が吹く中、どのような影響を受け、どのような発言を行うのか注目されていました。田村氏は変わることなく、「利上げを判断すべき局面に来ている」との認識を示しました。講演で田村氏は、「将来の急激な利上げショックを避けるため、中立金利にもう少し近づけておくべきだ」と指摘。日銀は2%の物価安定目標の実現時期について、展望リポートで示している2027年度までの見通し期間の後半としているが、「実現時期が前倒しとなる可能性も十分にあると考えている」と語っていました。また、政策金利の引き上げが遅れて物価が大きく上振れする「ビハインド・ザ・カーブに陥れば急速な利上げを余儀なくされ、日本経済に大きな打撃を与え得る」とも発言。さらに、「物価上昇率に比べて金利が低過ぎれば、預金の実質的な目減りが続いてしまう」と説明していました。
インフレについては、「消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)は、3年以上も日銀目標の2%を超えて推移しており、最近は食料品価格の高騰がけん引役となっていた。足元で再び進行する円安も輸入物価を押し上げる可能性がある」とも語っています。田村氏はさらに、人件費が食料品の値上げ理由となってきていることを踏まえ、「食料品価格は今後も持続的に上昇する可能性が十分にある」と主張。国内物価は、日銀が7月の展望リポートで示した見通しと比べて「上振れて推移するリスクが大きいとみている」としていました。トランプ大統領が主導する米関税政策の影響に関しては、海外経済の減速などの影響から「無傷ではいられない」としつつ、「海外経済の減速も当初考えていたほどではない可能性が十分にある」との見方を示していました。最も利上げに消極的と見られていた野口審議委員も、先の講演では利上げのタイミングであるとの姿勢に転換させてきました。これで、9名の委員の中で少なくとも3名が「タカ派」ということになります。日銀は今月30日の会合で利上げに踏み切るのでしょうか?「G7」、「G20」財務相・中央銀行総裁会議に出席のためワシントンを訪問中の植田日銀総裁は現地で、「見通しの確度が上がっていけば、その度合いに応じて適宜引き締めの度合いを調整していくという形に全く変わりはない」と、従来の考えをくり返し述べていました。因みにOIS市場では、当該会合での利上げ確率は、現時点で「17.7%」と、依然として据え置きを予想する向きが優勢です。
トランプ大統領は16日、ロシアのプーチン大統領と約2時間に及ぶ電話会談を行いました。SNSへの投稿でトランプ氏は、来週に米ロが高官協議を開催し、その後ブダペストで首脳会談を行う予定だと表明しました。トランプ氏は、「ロシアとウクライナの間で続くこの『不名誉な戦争』を終わらせる道を探る。「今日の電話での会話で、大きく進展したと考えている」とも記しています。昨日も、「インドのモディ首相がロシアからの原油を購入しないと約束した」と述べるなど、「トランプ恫喝外交」は徐々にその成果をあげて来ました。そのトランプ氏、自身の政権1期目に国家安全保障担当の補佐官を務め、後に大統領を厳しく批判したジョン・ボルトン氏を起訴したとブルームバーグが報じています。「16日に開示された起訴状によれば、ボルトン氏は18件の罪で起訴された。同氏の起訴は、トランプ氏を厳しく批判する人物への『報復キャンペーン』の激化を示している。検察は最近、コミー元FBI長官やニューヨーク州のジェームズ司法長官を捜査し、起訴に持ち込んでいる。両氏とも容疑を否定しており、法廷で争う構えだ」と伝えています。
FRBのウォラー理事は、悪化する労働市場を支えるために、0.25ポイントずつ利下げを継続することができるとの認識を示した一方、ミラン理事は、より大幅な利下げを引き続き主張しています。ウォラー理事は16日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「間違いを犯したくはない。だからこそ、慎重に0.25ずつ利下げし、様子を見てから次の判断をするのが賢明だ」と述べています。一方ミラン氏はFOXビジネスのインタビューで、0.5ポイントの大幅な利下げを改めて求めました。ミラン氏は、「最近再燃した米中貿易摩擦が経済にとって一段の下振れリスクとなり、迅速な金融緩和が必要だ」との見方を改めて示し、「金融政策が今のように景気抑制的な状態にある中で、今回のようなショックが経済を直撃すれば、その悪影響は大きくなる」と述べ、「10月28〜29日のFOMC会合では0.5ポイントの利下げを支持する」としました。一方、FOMC会合が9月と同様に0.25ポイントの利下げにとどめる可能性が高いことも認め、「今年は0.25ポイントずつ、3回の利下げが行われる展開になるだろう」とも話していました。ただ、今年のFOMC会合は残り2回しかない中、「3回の利下げ」発言は、やや意味不明です。
本日のドル円は149円~151円程度予想します。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円は続落。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-10-17 10:30